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オットージャパン、次の一手は?  新ブランドの「ファビア」が始動

 1-1.jpgオットージャパンは今年2月、同社として初めてネット販売に軸足を置いた新ブランド「FABIA(ファビア)」をスタートした。カタログをメーンとした従来型事業とは異なる客層を囲い込むため、商品政策はもちろん、商材の見せ方の工夫や商品開発サイクルの短縮など新たな取り組みに挑むことで、新ブランドで3年後に30億円(ネット販売比率7割を想定)、8年後の20年には150億円規模のブランドに育てる。


 ウェブを主力販路とする新ブランドは30~40代で仕事もプライベートもおしゃれを楽しむ女性がターゲット。

 「ファビア」の事業化に当たっては、約1年をかけて実施した数千人規模の調査で、「働く女性は着回しができ、オンとオフを問わずにコーディネートしやすい商品を求めていることが分かった」(大久保武執行役員)という。

 昨今、職場の服装がカジュアル化し、仕事中でも自分なりのスタイルを楽しみたい女性が増えていることを受け、「ファビア」では新しいオフィススタイルとして"ドレスビズ"を提案する。

 "ドレスビズ"は、同社のブランドエッセンスである「dress your life(生活をもっと華やかに)」の「ドレス」と、ビジネスを意味する「ビズ」をかけ合わせた言葉で、女性が職場での服装に求める「イメージアップ」や「きちんと感」などを重視しつつ、トレンドを取り入れた着回し度の高いアイテムを新ブランドでそろえる。

 デザイン面では、大柄なプリントや華やかなスパンコールといったオットーらしさを生かしながらも、「ファビア」ではよりコーデしやすいデザインとし、ディテールや素材、色味などにこだわった。

 今春夏シーズンのキーアイテムはワンピースで、商品構成比で全体の25~30%とボリュームを持たせている。また、「オットー」の中心価格は1万円を超えるが、「ファビア」はウェブを意識して6000円台をメーンとした。


1-2.jpg表紙に3人のモデルを起用

 ビジュアル面では、ファッション通販カタログの常識を覆して、創刊号の表紙に3人の女性を登場させた。

 昨今の女子会ブームに代表されるように、女性は互いに褒め合ったり、競い合いながら自分のファッションを磨いているため、表紙から複数の個性を打ち出すことで消費者の共感が得られやすいと判断した。

 女性のタイプの広さを表現する手段として、外国人モデルだけでなく、日本人とハーフの女性も起用。手が届きそうなくらいの憧れを持たせたという。

 クリエイティブ面では、雑誌風の見せ方やキーワードの立て方を取り入れた。服のテイスト別に着用モデルを使い分け、「○○風着こなし」などとスタイルに幅を持たせることで消費者が自分を投影しやすくした。

 また、1つの商品をさまざまなページ、シーンで登場させ、異なる着回しで見せる。

 新ブランドはウェブを軸にするものの、カタログをマーケティングツールと位置付け、カタログからウェブへの導線を強化している。

 例えば、創刊号(A4判変型、76ページ)の売れ筋アイテムである「シルキーシフォンジップブラウス」は、カタログの「コーディネートショー」ページで4パターンのスタイリングを紹介しているが、ウェブには「もっとコーデ」としてさらに多くのスタイルがあることを誌面で伝えて誘導し、新しい発見につながるようにしている。

 また、ウェブでは商品の詳細画像のほか、身長の異なる3人のモデルを使って同じ商品・サイズを着用したときの丈感がイメージしやすいように工夫した。

 一方、オットージャパンではスマホ経由の売り上げが前年比2倍程度で伸びており、スマホは新ブランドのターゲット層でもある30~40代女性の開拓には欠かせないデバイスとして対応を強化する。

 同社は昨年6月、通販業界では初めて電子透かし技術を採用したカタログを発刊。専用アプリ「オットー・インフォリーダー」をダウンロードしたスマホを対象ページにかざすと通販サイトの商品詳細ページに遷移する取り組みを試したが、5月をメドにこの次世代版を投入する計画だ。

 詳細は明らかではないが、「ファビア」のカタログ全ページに対応し、音声認識技術も用いて通販カタログがもっと楽しくなるアプリを展開するという。


企画決定を発刊2カ月前に短縮
 
 ウェブに軸足を置き、新客開拓の役割を担う「ファビア」のMDは、より季節感を打ち出す必要がある。従来のカタログは発刊日の約半年前までに企画を固めているが、新ブランドではこれを2カ月前とし、ギリギリまでトレンドをひきつける体制とした。

 併せて、グループ会社を含めて幅広くトレンド情報を収集できるようにしたほか、生地を早い段階で確保して"素材ありき"の企画を増やすなど、短納期の仕組みを構築したという。

 「ファビア」は2月8日に約100アイテムでウェブ先行販売後、3月18日のカタログ創刊時に約260点の品ぞろえで本格始動しており、5月発刊の夏号でさらに新商品を投入する。

 4月と6月にも薄めのカタログを発刊するが、これは3月と5月に投入する商品を別企画で打ち出す再編集カタログになるという。

 一方、主要販路のウェブについては、今秋冬シーズンには既存サイトから切り離し、「ファビア」専用の通販サイトを開設する方針だ。


リアルイベントなどで露出強化

 新ブランド「ファビア」は販売開始から間もないものの、「売れ行きは期待以上」(大久保執行役員)という。

 同社では、まずブランドの世界観やメッセージを正確に伝えることを重視。現状は既存顧客への提案がメーンだが、次のフェーズではより多くの消費者にアプローチしたい考えで、広告宣伝費は初年度に数億円、2年目以降は4億円規模を投下する計画。

 4月発行の30~40代女性向けファッション誌で広告を打つのに加え、4月上旬には青山や六本木、新宿、丸の内といったオフィス街でカタログ約2万部を配布するほか、秋冬シーズンにはリアルイベントを含めてさらに露出を強化する。

 同社では、前期(2013年2月期)を初年度とした長期経営計画において、8年後の20年に全社売上高を現在のほぼ倍となる250億円を掲げており、成長軌道に乗るための切り札として「ファビア」への期待値は高いようだ。

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