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イマージュが衣料品撤退、セシールが事業買収、上場廃止後も低迷続く

1.jpgイマージュホールディングス(本社・高松市、明賀正一社長)は9月2日、セシール(同・同、上田昌孝CEO)にグループの衣料品通販事業を譲渡する。譲渡額は非公表。今後イマージュグループでは、子会社のアイムを中心とした化粧品や美容商品などの通販に特化。今後の社長人事などについては未定としている。一方、セシールはF1層向けの事業を強化する。なお、イマージュ社員のセシールへの引き受けについては、イマージュ事業の継続に必要な人員を引き継ぐ予定。

「イマージュが売りに出されている」「カタログの発行を停止するらしい。取引先を集めて説明会も行ったようだ」。

 こんな噂が業界内を駆け巡ったのは、今年に入ってからのこと。ある総合通販の社長は「(イマージュを)買わないかという話はあったが断った」というから、通販各社に話は持ち込まれていたものとみられる。

 イマージュホールディングスは2011年に、MBO(経営陣が参加する買収)により上場を廃止。みずほフィナンシャルグループ運営の投資ファンドが出資するTKMホールディングスが株式公開買い付け(TOB)を実施しており、実質的にはファンドの元で再建を図ることとなった。

 全盛期には売上高500億円を超えていた同社だが、近年は激減。上場廃止後は短期の業績変動に左右されない体制とし、新規事業や新商品の育成、顧客獲得への投資を進めるとしていたものの、12年2月期の連結売上高は2ケタの減収に。特に、衣料品通販子会社のイマージュに関しては11億3100万円の当期損失を出したにも関わらず、売上高は前期比12・6%減の74億9200万円にとどまっていた。

 イマージュHDでは13年2月期の売上高見通しを明らかにしていないが、関係筋によれば衣料品事業の売上高は伸びていないもよう。一定の投資を行ったにも関わらず、売り上げが落ちたことで「ファンド側が衣料品事業に見切りをつけた」(業界関係者)というわけだ。

 事業を引き取る形となったセシール。実は、以前から買収先として本命視されていた。インサイダー問題で社長を辞任した、創業者の南保正義氏に代わりイマージュHD社長を務めた行成靖氏が、退任後にセシール常務を務めており、イマージュの社員も同社に多数移っていたためだ。

 今後もイマージュブランドは継続するという。ただ、近年のイマージュグループは、利益率の高い化粧品子会社のアイムが支える形だった。大赤字を出していた「トランスコンチネンツ」などの店舗事業を整理した後も、反転の兆しのみえない衣料品事業を引き受けて勝算はあるのか。

 セシールの主要客層は40代の女性。今後の事業展開を考えても、若年層顧客の開拓と育成は大きな課題だ。近年は20代からの女性をターゲットにしたファストファッションブランド「アニタ・アレンバーグ」を展開するなど、若年層顧客の獲得に向けた取り組みも行っている。そこで、20~30代女性をメーンとするイマージュおよびイマージュネットの買収を通じ、F1層の顧客基盤を拡充したい考えだ。

 ただ、低迷が続くイマージュのブランドは、かつての力を失っている。F1層向けは競合が最も激しい分野だけに、課題は山積しているといえそうだ。

業界関係者の反応は
価値はF1層の"顧客リスト"


今回の買収を業界関係者はどうみているのか。

 ある大手総合通販の社長は「セシールとイマージュ同じ会社になっても、何か新しい価値が生まれるとは思えない。マイナスとマイナスの組み合わせで、言うなれば『ネガティブなコンビネーション』だ」と手厳しい。その上で、「セシールがイマージュに価値を見出したとしたら、F1層の顧客リストだけだろう。既存の事業や新しい事業に活用していくのではないか」とする。

 老舗通販の幹部は「両社は本社が同じ高松だし、同じ会社だと勘違いしている消費者もいるのではないか。そういう意味では似た企業だといえるし、資産の共有など事業譲渡もスムーズにいくだろう」としながらも、買収による相乗効果については「よくわからない。肝心のリストに関しても、商材やターゲットが近いため、かなり重なっているのはないか」と首をかしげる。

 別の大手総合通販の幹部は「セシールとしては、より幅広い客層を取り込んでいこうということなのだろう。規模の拡大という意味では確かにインパクトはあると思う」と一定の評価を与える。その一方で「企業として融合を図っていくことを考えると、企業文化の違いなど難しい面もあると思う。例えば、同じ年代の顧客に商品を売るにしても、所得層やライフスタイルなどターゲットに対する考え方が企業によって異なり、値段の決め方も違う」と話す。

 企業の合併・買収が相次ぐ近年の通販業界。今後、さらなる再編はあるのだろうか。

 最近は円安が続いており、通販を含めて、商品調達を海外に頼る小売事業者にとっては厳しい状況だ。さらに来年には消費増税も待ち構えている。老舗通販の幹部は「こうした事例が続いても不思議ではない。原価も物価も消費税も上がる状況で、生き残りをかけて『身売り』せざるを得ない企業は増えるだろう」と推測する。

 大手総合通販の社長も「今回の事業買収はファンド主導だが、今後は似たような形での再編が進むのではないか」とする。その上で、今後の生き残り策については「カタログ通販が駄目だというわけではない。ビジネスを整理し、『金が稼げる』分野を定めることが重要だ」と話す。

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