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「ポンパレモール」稼動へ、 リクルートライフスタイル・牛田圭一ネットビジネス推進室シニアマネジャーに聞く

5-1.jpg出店者の利益担保する環境を

リクルートホールディングスグループのリクルートライフスタイル(本社・東京都千代田区、冨塚優社長)は3月15日、仮想モール「ポンパレモール」をオープンする。出店規模は約500店舗でファッションや食品、日用品など幅広い商材を取り扱う。「じゃらん」や「ホットペッパー」といった既存のビジネスで大規模な会員数を抱えている同社が、仮想モール事業に進出した意図とは何か。運営のビジョンや他のモールにはない特徴について、責任者である牛田圭一シニアマネジャーに話を聞いた。

目的は会員のポイント償還

 「ポンパレモール」が3月15日に稼動する。開設する狙いは。

 「当社が(ポイント償還で)提供しているサービスに飲食店や美容院、旅行などがあるが、一般的に飲食店は年に10回程度、美容院は1・5カ月に1回程度、旅行は年2回程度の利用頻度と言われている。そのため、以前から日用品やファッションの購入など日常で利用できるものが欲しいという声が多かった。より利用頻度の高い日常生活系のサービスを提供して、会員の満足度を上げることを目的に開設した」

 先行している他社の仮想モールはすでに大規模な流通総額となっているが、勝算はあるか。

 「自前のECも持っているが商材数の集まり方などを考えていくと、自社だけでやるのは限界があった。社内でも話し合い、仮想モールにすることで商品数の多さや場所の提供ができるという結論になった。他の仮想モールと連携する、いわゆる外にポイントを出すような施策などは今は実施していない。

 正直なところ、他の仮想モールに対して『取り扱い金額で勝っていこう』といったことはまったく考えていない。あくまでも会員の利便性を上げるためのものなので、ポイントをその流通の中で頻度高く使ってもらうことを目的にしている」

 ただ、出店者側からの期待は非常に高い。

 「立ち上げに当たってかなりの出店者にヒアリングをしたが、こんなにも(開設を)望んでいるのかと我々も驚くほどの期待感を持っていた。出店者からの声としては『会員の属性に対して、商品を販売できるのは望ましい』といったものや『今の仮想モールで売り上げを伸ばそうとすると、広告宣伝費がかかり費用対効果が合わない』という現状の課題や閉塞感を持っている声があった。そういった背景があるのならば、当社が入っていく余地も多少あるのではないかと感じる。

 開設のタイミングも良かったと思う。これが、3~4年くらい前であれば出店者も既存の仮想モールでどんどん売り上げを伸ばしていた状況なので、新規の仮想モールに参画しようという気持ちにはなかなかなれなかったかもしれない」

広告量を抑えて探しやすさ追求

 他の仮想モールにはない特徴や強みは。

 「消費者に対しては、ポイントの3%を付与する特典がある。出店者に対してはベース2・5%という低料率でやれるということ。当社が利益をたくさん持っていくのではなくその分を消費者に還元する仕組みなので、商品自体を販売しやすい環境が作れるのではないか。さらにポイント流通の仕組みとして、旅行で貯めたポイントをこちらで使う人もいるが、当然仮想モールの方が圧倒的に利用頻度が高いのでポイントを買い物で貯めて旅行や飲食で使う形などを想定できる。

 商品の探しやすさにもこだわっており、例えばスタート時には広告商品などは作っていない。今後、特集的な広告は作るかもしれないが、バナーのような広告を大量に入れないことを方針として決めている。消費者が探しやすくて広告が邪魔にならないレベル感で取扱数を最大化していくことを目的に置いている。広告の売り上げをそれほど見込んでいないので、そういった設計が追求できるのも差別化のポイントになる」

 会員データベースを活用する方法は。

 「統計解析のコンペなどでも優勝するような、日本でもトップレベルのデータマイニング専門のチームがリクルートグループ内にある。そのチームがアルゴリズムを作ったり、データ解析を担当しているので、今後、商品の見せ方やレコメンドなど顧客とマッチした精度の高いアプローチができると思う。消費者にとっては買いやすく、出店者にとっては売りやすいというものだ。

 すでに『ポンパレ(クーポン共同購入サイト)』や『じゃらん』でも、メールの内容をセグメントしてユーザーに配信することを実施している。過去にはある特定のユーザーのメール開封率が2倍になったという事例もあった。情報をきちんと届けるという意味合いで考えると、消費者にメールが大量に届いて"ウザい"と思われるのはあまりいい状態ではない。以前からこの問題は重要視して取り組んでいたので、配信の頻度や見せ方などの最適な結果はすでに出始めている」

 いつぐらいからポンパレモールでもその仕組みを実装できるようになるのか。

 「オープンして1~2カ月くらい経てば利用データが蓄積されるので、商品の並び順やメルマガ配信に活かしていこうと思う。ただ、先ほどの話にもつながるが、それを露出する方法が広告に邪魔をされてしまうとうまくいかない。こちら側としてアルゴリズムの中でやりたいことがあっても、広告をどんどん配信するということが先行してしまうと、また"ウザい"という話になってしまう。いわゆるニーズがある商品をちゃんと露出できるのかということ。どうしても売りたいものを広告として出すかということになると、やっぱり違うのかなと思う」

5-2.jpg取扱商品数の拡大は慎重に

 オープン時の店舗数は約500店を予定しているが選定基準は。今後、取扱商品を拡大する予定などはあるか。

 「あまり選別をしにいったという感じではない。結局はバランスよく商材を集めたかった。モールといいながら『ファッションに特化』ということにはしたくなかった。幅広いジャンルをいかに作っていくかが重要だと思ったので、それぞれの商材ジャンルの中で参加してもらえそうな企業のリストを作って声をかけさせてもらった。

 品揃えを急激に拡大しようとするのであれば、営業活動をガッツリやっていけば増えるのは増えると思う。しかし、それをやると参画している出店者に対して売り上げをしっかり返していこうとする行為とのバランスが取れなくなってしまう。もちろんポイント償還できる商品の選択肢は増やしたい。品揃えをどうステップアップさせていくかについては急激に行うのではなく、消費者の状況を確認しながら出店者にちゃんと売り上げを返していける状態を作って、少しずつ増やしていく形になると思う」

 出店者の店舗運用・管理作業で留意したことは。

 「出店者の作業効率を考えて、いかに負荷なく運用・管理できるかを優先した。まだオープン前だが、事前に話し合って指摘を受けたところはすでにできる範囲で改修している。管理画面を通じて使いやすくすることは、『じゃらん』『ホットペッパービューティー』などでもそれなりにノウハウが蓄積されていた。その設計の思想の一部はポンパレモールにも移植していくし、出店者によっては自社システムを使ったりしている場合もあるので、ヒアリングをしながら提案していく」

 出店者に対して、改めてアピールするポイントや今後の目標について。

 「手前味噌な話になるが、利用料率はなるべく下げて消費者に還元していこうという構想なので、出店者がポンパレモールで売れるようになれば利益率が上がっていくという想定でやっている。

 また、当社がカード決済の手数料のところで儲けようという考えもないし、アフィリエイトなどを取るつもりもない。広告の売り上げをガンガン伸ばしていこうという設定でもないので、ある程度出店者の利益率が担保できる環境がつくれるのではないかと思う。

 出店者からの要望も多かったので今後はジャンルごとのランキングや特集なども行っていくが、広告とは絡まないようにする。自然に売れるものが売れていくという消費者のニーズと供給がマッチする内容にしたい。過去に『じゃらんnet』がずっとこの方法でやっていてうまくいったので、その思想を横展開したようなイメージだ。

 数字に関しては、当然増やしていきたいとは思っているが『絶対にここまでいかなくてはいけない』という目標は掲げていない。出店者に対してきちんと満足できる数字が返せる環境を確認しながらバランスを見ていくことが重要だ。個人的にイメージしているものはあるが、そこを目標にした瞬間に何かひずみが出てしまう可能性がある。出店者から『当初から売り上げがすぐ上がるとは思っていない』とは言われたが、もちろんそれに甘え過ぎず早いタイミングで返していけるようにしたい」

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