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各社の"おせち商戦"の現状は? おせち通販、定着の兆し

 1-1.jpg通販各社が「おせち」の通販展開を強化している。「お試し」用のおせちが浸透し始めていることやおせちの通販購入の定着化、商品数の拡充などを背景に、各社とも震災の影響による「きずな消費」で活況だった昨年を上回るペースで受注を獲得。前年比でみると10~40%増程度で推移しているようだ。安定したヒット商品は集客のフックとなり新規客の開拓などに貢献するため、「通販おせち」市場が今後ますます激化する可能性は高い。各社の「おせち通販」を追った。

【総合通販各社】
品数拡大、高額商品が好調


 総合通販系では、高額で品数豊富なおせちが売れ行きを伸ばしている。

 千趣会は今シーズン、89品番のおせちを展開している。商品数は前年並みだが、冷蔵商品の割合を昨年の24商品から27商品に増やすなど品質を追求するほか、人気キャラクターを起用した商品を積極展開している。

 いち押しは2007年から毎年扱っているディズニーおせち。今シーズンは、ウォルト・ディズニーの生誕110周年に因んだ「限定セット」(税込3万2800円)を投入。オリジナルデザインの祝い箸やぽち袋をセットにした和洋メニューの四段重で、ミッキーマウスのシルエットをあしらった具材を使用する一方、京都岡崎の懐石料理店「いく田」が監修するなど親子3代で楽しめる商品に仕上げた。

 予約販売は10月19日から開始した。「ベルネメール」で告知頻度を増やすなどし、現在の受注状況は予算・計画比で約10%増。ディズニーやハローキティなどのキャラクター商品が小さな子どものいるファミリー層に人気で、高単価商品が順調に推移。「ウォルト・ディズニー生誕110周年限定セット」は、売り切れ間近の状況だ。千趣会では、「ベルネメール」でおせち特集を組み、12月4日に全件配信を予定。さらに販促を進める。

 ディノスでは10月1日発行の食品カタログからおせちの販売を開始した。昨年同様、ユーザーに自宅で年越しする傾向がみられるとし、品数が多く、高額な商品が好調。11月中旬時点で、受注比は前年比約35%増と昨年を大幅に上回る状況だ。

 冬の食品カタログ「どうぞ召し上がれ」でおせち特集を展開。初の試みとなる「生おせち」の「鮨 青木 おせち一段」(同4万8000円)やオリジナルの「こだわり厳選おせち」(同1万6900円~1万9900円)など19種類を取り上げた。同社では取扱商品数を増やし、高単価商材を強化したことが売り上げ拡大につながったと分析。申し込み締め切りの12月16日まで「順調に売り上げは伸びると推測している」(ディノス)という。

 ベルーナは8月22日からおせち全33種の予約受付を開始した。近年は通販での購入が増えていることから、オリジナルおせちや和・洋・中の詰め合わせ、少人数向けおせちなどをラインアップした。おせち商戦全体で前年比約25%増の注文を見込んでおり「(注文数は)昨年より順調に推移しており計画は達成できるのでは」(ベルーナ)とする。

 昨年から、カタログなどに同梱するおせちのチラシを冊子化したほか、熟年層を対象とした、2~3人前のおせちや1人前のおせちを拡充。こうした少人数向けのほか、大人数向けも注目を集めているという。

 売れ筋は2~3人前のもの。特に売れているのはオリジナルの「結(ゆい)」(同1万500円)。昨年から展開しているもので全41種の具材を揃えた3段重となる。また、京都の高級料亭「わた奈べ」のおせちも人気。特に6~8人前の「特大50cm 八角一段重」(同2万8800円)の売り上げは年々伸びており、今年は昨年の1・5倍の販売を計画している。9月には「わた奈べ」のおせちのメニューから代表的な11品をピックアップし、少量ずつ詰めた「お試し用おせち」(同1500円)も発売。注文締め切りを前に完売した。


1-2.jpg【仮想モール各社】
30~40%増と急成長


 仮想モールでもおせちは好調で、楽天とぐるなびでは前年との比較で30~40%前後の伸びとなっている。仮想モールという特性を活かして幅広いラインアップを揃えていることや早期からおせち特集を開催したことなどが成長要因となっているようだ。

 楽天では、仮想モール「楽天市場」で10月中旬に早期割引を実施するなど昨年より2週間早いタイミングでおせち特集を開始した。売り上げ状況は前年比で25・3%増と好調に推移。お試しおせちの定着化で客単価は例年より減少しているものの、幅広いラインアップを強みに大型企画ページなどで早期から販促を行った結果、購入者は30~40%程度増加したとし、12月中旬以降に通常商品の購入が加速すると期待している。おせち商材の通年の前年比では30%増以上となる見通しだ。

 同社では、「楽天市場」で近年、各店舗による早期の囲い込みが早まっていることを考慮し、10月中旬から300円クーポンで早期割引を図ったほか、例年より前倒しで大型企画ページを展開するなど販促を早い時期に実施。ユーザーの購買意欲促進を図った。

 売れ筋は例年通り和風おせちだが、今年は特集ページに「こどもと楽しむおせち」や「少人数のおせち」などのコンテンツを追加するなど新たな取り組みにも着手。特にハローキティやディズニーなどの「キャラクターおせちが」好調で、夏からメーカーと打ち合わせを重ねるなど、「戦略的に販促を強化したことが奏功した」(楽天)という。

 販促面では、レシピサイト「楽天レシピ」でおせち特集を展開。焼き物や酢の物などのおせちのレシピを紹介し、関連商品として「楽天市場」のおせち商品を表示するなどの連携を行った。また、「楽天トラベル」のホテルや施設の「楽天市場」への出店も促進。高級おせちのラインアップの強化につなげた。

 今後は年末から2014年版のおせちPR戦略を実施する予定。2013年版のおせちのトレンドを分析して、次回の売れ筋を探る構想だ。

 ヤフーでも「ヤフー・ショッピング」におけるおせちの取扱高が拡大している。10月末からの3週間を前年と比較すると約10%増。今年は昨年より早期に商材が動いており、9月2週目では15%増、3週目では48%増まで伸長した。今年は全体的に商品単価が5%程度下がっているとし、「値ごろ感」が出たことで注文数が増え、取扱高の増加につながったようだ。

 今年は和・洋・中では和風おせちに人気が集中。「お試し」おせちは減少し、本体価格の「早期割引」需要が高いという。

 販促面では、専用ページを開設して、講談社の雑誌「おとなの週末」と共同で「ヤフー・ショッピング」出店ストアの人気おせち18品を試食する「通販おせちグランプリ」を開催。同誌編集部と共同でおせちを評価し、お勧めの6商品を紹介するなどして購買意欲の促進を図った。

 同社はおせちのピークを12月の2週目と予測。「値ごろ感」を訴求するため、大幅な値引き商品はわかりやすくアピールしていく予定だ。

 ぐるなびも、仮想モール「ぐるなび食市場」のおせち特集が前年比で43%増と大幅に伸長している。同社では40代から70代までと幅広い層をターゲットにおせち特集を展開。2年前にあった「スカスカおせち」問題の影響で、特に「お試しおせち」や安全・安心を訴求するおせちが好評を博しているという。また、「生おせち」など冷凍ではないおせちが人気があるようだ。

 「ぐるなび食市場」で扱うおせちの価格帯は1万円以下から1万8000円程度で、売れ筋は博多久松の「博多」(同1万5800円)や板前魂の「花籠」(同8800円)、安全・安心を訴求するオイシックスのおせちなど。販促では、全体の傾向として平日にチェックして週末に購入するなどのユーザー動向が把握できたため、「週末限定のおせち特集から転換した」(ぐるなび)ことが奏功したようだ。


1-3.jpg【食品のネット販売各社】
華やかさと安心感に需要


 食品通販各社でもおせちの売れ行きが好調だ。特に見た目の華やかさと、サービスの安心感がある商品に需要が集まっているようだ。

 オイシックスの売れ筋おせちは、今年から取り扱いを開始した「鳳華(ほうが)」(同2万250円)。3段重で、定番商品を集めた「伝統の段」と、創作的な見た目と味付けの「和の段」、ローストビーフなどを盛り付けた「洋の段」で構成する。子供から高齢者まで、幅広い年齢で食べられる和洋折衷とした。同商品にはあわびやロブスターなどの食材を使用し、高級感を持たせた。震災以降、消費者に正月を家族で過ごしたいというニーズが増加傾向にあると分析し、見た目が華やかな商品をラインアップした。

 立ち上がりは好調で、前年を上回って推移。おせち商戦全体で、9月1日から1カ月間で前年同期比1・5倍の受注を獲得。おせち商戦開始時に早期購入特典として割引販売を行い、クリスマス後も購入できるようにして受注を長期化した。

 また、同社では「安心・安全」の取り組みも強化。保存料や合成着色料を使わない製造や、放射能の自主検査体制で安全性を確保。商品詳細や配送状況を案内するカスタマーサポートや、全額返金する保証制度で安心感を高めた。これらの取り組みが寄与し、リピート購入につながった。

 ドゥマンの売れ筋おせちは「目出鯛おせち」(特価9980円)。京都の料亭「祇おん江口」が監修したもので、お祝いで使用されるえびやいくらなどの食材や、黒豆や甘露煮などのおせちの定番メニューを使った36品目を盛り込んだ和風おせちとなる。

 商品特徴は鯛の塩焼きを一尾まるごと盛り付けたこと。販売に先駆けて開催した試食会では「ありそうでなかった」「目を引き、昨年との違いに気が付いてもらえそう」「鯛にインパクトがあり、味にもメリハリがある」などと好評を得た。

 同社では今年のおせち商戦では、配達日指定に対応。12月28日~31日までの4日間で指定することができるようにし、年始準備で忙しいユーザーの利便性を高めた。

 築地の料亭竹若は今年のおせち商戦は前年比1・5倍となる見込み。 

 主力商品は冷蔵おせちの「豪華竹若」(早期割引価格2万3800円)で、2段重だが、8寸サイズで4~6人分のボリュームとなる。伊勢海老やあわび、いくらなどの高級食材を使用したほか、数の子やにしんの昆布巻きなど定番メニューをセット。「黒豆」や「松前漬け」、「栗きんとん」を別添えとした。これまで重箱に入れていたものを別添えとし、内容にボリューム感をもたせた。

 同商品は関東エリアを中心に冷蔵で届けるため、味付けを薄くし、魚メニューを中心とした内容で構成。冷凍のおせちに不安を抱くユーザーに"生おせち"として訴求する。受注のピークは12月上旬となる見込み。



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