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【西巻拓自総経理に聞く】 「日本の成功体験捨てる」──ゾゾの中国展開、次の一手は?

 2-1.jpg今年5月に中国でのビジネスモデルを見直したスタートトゥデイ。日本での成功体験を捨て、中国市場で新たな一歩を踏み出した。昨年10月末の事業開始から約8カ月。現地で指揮をとる西巻拓自・走走城上海電子商務総経理に、事業モデルを一新した経緯や今後の取り組みについて聞いた。     
  (聞き手は本紙記者・神崎郁夫)


──中国市場は一筋縄ではいかない。
 
 「『ゾゾ』はある程度、高感度なファッションアイテムを定価でネット販売するビジネス。日本の場合、利便性からブランドの服をネットで買うケースが多いが、中国人がネットに求めているのは安さだ。現状、ネットで服を買う人の感覚から変えないといけないという壁にぶつかっている」
 
──当初はブランドから商品を買い取っていた。
 
 「貿易が発生すると日本に返品する際にも関税がかかるため、買い取る必要があった。必然的に、委託販売モデルでは中国に進出しているブランドしか扱えないことになる。当初はデザインに癖があるエッジの利いたブランドも含め、中国未進出ブランドを発信するのが『ゾゾ』の役割と感じていた。価格が高くなるのは分かっていたが、挑戦したかった。ただ、結果的に中国人には『異常に高い』と感じたようだ」
 
──輸入の壁も。
 
 「中国の税関で長期間とめられたり、どこかで商品が抜かれたりすることは日常茶飯事で、いつ手元に商品が届くのか計算できなかった。冬物のダウンを売りたいのにシーズン終わりに商品が届いたこともあり、季節商材を売るのには適さないモデルだった」
 
──前澤社長は、ECの成功には商品とサイト、集客、物流のバランスが大事だとするが。
 
 「すべてが納得のいく状態でのスタートではなかったが、実際に運用してみないと、とくに商品は何が売れるのか分からない。市場調査もあてにならない。実際、『ゾゾ』の中国での認知度は30%という調査報告を受けてビックリしたし、何も信用できないと感じた。中国では調査しきれない部分が多いため、まずはトライしてみることが大事だと感じて輸入もやってみたわけだが、実際には機能しなかった」
 
──販促面は。
 
 「日本流に偏りすぎた。全方位的に販促を仕掛けたが、効果が得られたのはリスティングなど一部だけ。今後は費用対効果の高いものに絞るのと同時に、オフライン販促も行う。ファッションイベントに協賛したり、ブランドの実店舗と連携するなど、中国では新しい取り組みが必要だ」
 
──5月下旬にリニューアルした。
 
 「中国進出ブランドから現地で商品を消化仕入れする事業モデルに変えた。そのため、取り扱いブランドは53ブランドから7ブランドに減って再始動した。6月末に12ブランドになる予定で、商品単価は以前の半分くらい。日本円で6000~8000円程度だ」
 
──今後の攻め方は。
 
 「半年間、『ゾゾ』のブランディングではなく取引先のブランドを推してきたが、中国人には響かなかった。今後は、中国で実店舗を展開するブランドを取り扱うことで、多少なりともブランド推しができる。ブランドとの二人三脚体制が絶対的に必要だ。例えば、店頭で割引キャンペーンを実施するときは、『ゾゾ』も連動する。ECの情報蓄積力を活用してもらい、一緒に中国市場を開拓したい」
 
──「ゾゾ」らしさは封印するのか。
 
 「今回の刷新で客層はガラッと変わる。ただ、中国にも従来の品ぞろえを好む顧客がいるのは確かで、当社からの提案はしていきたい。輸入は完全にやめて現地調達型にしたが、機会を見て日本から商品を輸入することも必要。主体は中国進出ブランドだがエッジの利いた商品も扱いたい」
 
──成功体験を捨てる。
 
 「前澤は『成功体験を捨てろ』と言っている。これはありがたいこと。中国進出企業の多くは日本本社とのやりとりで話が進まないことがある。スタートトゥデイは現地、現場の判断が重要なことを理解し、権限を委譲してくれている。我慢が必要な時か、変わるべき時かの判断を間違えずに前進したい」
 
──MD戦略は。
 
 「メード・イン・ジャパンの企画をやりたい。例えば、日本の『ゾゾ』ではアメーバショップを運営し、モデルが作った商品を販売している。モデルの知名度があれば中国でも売れる。『ゾゾ』はこれまで服のブランドタグで勝負してきたが、中国ではそれだけでは勝てない。彼らが興味を持つ日本のエンタメや文化を服にかけ合わせることで強い商品になる」
 
──「ゾゾ」のブランディングは。
 
 「タオバオのTモールと自社サイトがある利点を生かしたい。今年度中に自社サイトはブランディング重視型に、Tモールは売り上げをとるサイトに区別していく」
 
──今期の施策は。
 
 「物流回りの安定化が第一だ。どれだけの商品、受注があっても撮影からサイトへのアップ、商品発送までをスムーズにする。ともするとブランド数や販促に目が行きがちだが、ECはフルフィルメントが土台。これを磨くのが先決だ」

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