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【現代書林元社長逮捕で広がる波紋】 神奈川県警の薬事法違反事件

6-2.jpg「バイブル本」など80冊押収

 神奈川県警(生活経済課)が10月6日、健康食品の"バイブル本"を発行して販売を幇助したとし、薬事法違反で現代書林(本社・東京都新宿区、坂本圭一社長)の元社長を逮捕した。バイブル商法に対する薬事法の摘発は、2005年に起きたミサワ化学と史輝出版の役員らの逮捕が思い起こされる。が、出版社が広告違反に問われた前回のケースと異なり、今回、現代書林はより刑罰が重くなる可能性がある「販売の幇助」にも問われている。逮捕の過程で現代書林が発行する約80冊のバイブル本も併せて押収されており、今後、これらを出版して販売に役立てていた販売会社にまで波紋が広がる可能性もある。


 逮捕されたのは、"ガンが治る"などとバイブル本で効能効果をうたい、キトサン配合の健食(未承認医薬品)を販売していたキトサンコーワ(同・東京都八王子市)の社長である國安春子容疑者(65)。県警ではサイバーパトロールを端緒に捜査を開始しているが、キトサンコーワは95年と01年の過去2回に渡り、チラシの表現などで東京都の行政指導を受けていた。

 県警によると、キトサンコーワは、09年6月から11年4月までに神奈川県在住の女性ら38歳から83歳の6人に対し、「キトサンコーワ」計84個やサンプル10袋を計約80万円で販売した疑い。同社は「医師研究者が認めた!私がすすめる『水溶性キトサン』」と題する書籍を販促物として使い、97年から11年までに延べ約2500人に「キトサンコーワ」約4万個を販売。約3億5000万円を売り上げていた。年間売上高は2000年の約5600万円がピーク。以後、右肩下がりに落ち込んでおり、10年は1170万円だった。

 同社は逮捕の発表と同時に臨時休業中となっており、会社は留守電となっている。

 また、キトサンコーワと合わせ、現代書林の元社長である武谷紘之容疑者(72)、書籍の編集を担当していた現役社員の川原田修容疑者(58)、契約手続きなど企画を担当していた元社員の萩原敏明容疑者(38)、執筆を担当していたフリーライターの石田義孝容疑者(54)の4人も逮捕されている。

 刑罰がより重くなる可能性がある販売の幇助容疑で立件したのは、その悪質性の高さ。

 武谷容疑者が「(書籍を)発行したら売れる」(神奈川県警)など國安容疑者に持ちかけており、書籍に商品画像や医師の解説、体験談、連絡先を掲載した上で、"水溶性キトサンでガンに打ち勝つ""転移したガンを抑える"などと効能表示していたことも「めちゃくちゃに効能をうたっていてかなりエキサイトしている。生死に関わるガンが治せる特効薬という謳い文句で、藁にもすがる思いの患者やその家族が飛びつく内容。中身もほとんど嘘。非常に悪質でけしからん」(同)としている。県警では当初、関わりの度合いの濃さから販売の共犯も念頭においていた。

 容疑に対し、國安容疑者は「販売したことは認めるが薬事法に違反していたとは知らなかった」と否認。現代書林の武谷容疑者ら3人も「あくまで読者に対する情報提供であり広告ではない」(武谷容疑者)と、否認している。フリーライターの石田容疑者は「(書籍に)『医療ジャーナリスト』と紹介されているが単なるフリーライター。(書籍は)広告にあたる。(販売幇助にも)なるでしょうね。仕方がない」と、ほぼ容疑を認めている。



 キトサンコーワがバイブル本を製作したのは01年9月。約1万部を製作しており、このうち5000部はキトサンコーワが商品同梱物として顧客に送り、残り5000部は現代書林が書店に卸していた。

 今回の薬事法違反事件に対する見解を現代書林の松島一樹企画部部長に聞いた。


 ──県警では80冊ほど同様の類の本があるとのことだが、これら書籍の扱いは今後どうされる。

 「バイブル本という認識はなかった。キトサンコーワ社が本を発行した01~02年当時は多くの出版社で同じ類の本が見られた時期だと思うが、03年の健康増進法改正(注・いわゆるバイブル本に対する留意事項が加えられる)を受けて編集方針を変えている。03年以降は健食の本も出版していない」

 ──編集方針の変更とは。
 
 「"連絡先や商品名など特定の商品に誘引すると広告になる"という考えを中心とした社内規定を設けている」
 
 ──キトサンコーワが発行した書籍の扱いは。
 
 「在庫分や返品されたものは連絡先のページを切り取る対応を03年に行った。ここ数年来は年に10部程度売れる程度でほとんど動きはなかったが、今年1月のキトサンコーワ社に対する家宅捜索を受けて3月に絶版処理をした」
 
 ──元社長ら3人は容疑を否認しているが、今回問題となった書籍に対する現代書林の見解は。
 
 「(元社長らの見解と同様)広告という認識は持っていない」
 
 ──現役社員である川原田容疑者に対する対応は。
 
 「弁護士も不当な逮捕と言っており、(公判で争うことになれば)争う考え」
 

 一方、気になるのは、逮捕に合わせ、現代書林から押収された健食関連の80冊の書籍の扱いだ。県警では「全て確認しておらず、連絡先の掲載があるなどいわゆる"バイブル本"ばかりでないが同じ類の本。今後、どれだけあるのか捜査で明らかにしたい」としており、これら書籍を発行していた販売会社についても「現状は今の事件にかかりきりだが、違反が確認できれば情報の端緒として活用していく可能性はある」と関心を寄せている。

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