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月刊ネット販売調べ・10年度のネット販売市場は? 主要300社で1兆9400億円

011.jpg本紙姉妹誌「月刊ネット販売」が調査した2010年度(10年6月~11年5月)ネット販売実施企業上位300社の合計売上額は約1兆9400億円となった。前年度の1兆6900億円から14・7%の伸びとなった。アマゾンジャパンを筆頭にネット専業企業が業績拡大を遂げる一方、老舗通販企業もネットでの新たな施策を探る動きが活発化し、取り扱う商材や企業ごとに明暗が分かれたようだ。結果的に、不況や震災の影響を受けつつも、ネット販売市場は前年度を越す成長率を記録した。(※右表は上位30位までの抜粋版です。本紙姉妹誌「月刊ネット販売」の2011年10月号の「第11回ネット販売白書」には主要EC実施企業300社の売上高をまとめたランキング表と商材別の個別ランキングおよび解説を掲載しています。購読は→こちら

前年度比で14%の伸び率

 「月刊ネット販売」の調査では、10年度のネット販売(BtoCの物販)実施企業主要300社の売上高合計金額は1兆9400億円となった。

 不況の影響で成長が鈍化した09年度を上回る成長率を見せたものの、今年3月の東日本大震災では配送網が混乱するなど大手のネット販売事業者でも休業状態を余儀なくされた。ただ、その後は防災関連商品や節電対策グッズのほか、飲料水や米などで"特需"の状況を呈したのは記憶に新しい。

 ネット販売市場の上位を概観すると、"王者"アマゾンジャパンが断トツでトップをひた走り、同じく「総合」系の千趣会とニッセンがその後を追いかけるという図式は前年と変わらない。

 また、家電関連では薄型テレビの需要増などを背景として、ジャパネットたかたやMOAといった企業が大幅な伸びを示しているのも印象的だ。そこで、10年度のネット販売市場の状況を特徴的な商材別に見ていく。

アマゾンが"独走"維持

 「総合」では、10年度もアマゾンジャパンが独走。年商は本紙推定で前年比21・9%増の3900億円。同社では配送サービスの強化に注力しており、10年11月からは一部商品を除き恒常的に送料を無料にした。並行して物流拠点を複数開設するなど、物流網の拡充を進めている。

 従来から取り組んでいる取扱商品数の拡充という成長戦略に加えて、こうした配送面の強化によって他社サイトとの差別化を図り、"独走"態勢を維持していく方針だ。

 一方、カタログ系の大手老舗総合通販企業では、千趣会が前年度に続き2位。同社のネット販売売上高は653億円で前年比2・8%減となった。3位のニッセンは、ネット限定商品の拡大などが奏功しネット販売売上高は同6・1%増の647億円となった。

 また、他媒体に依存しない「純ネット売上高(PC+携帯)」を見ると、千趣会が同6・0%増の436億円、ニッセンが同9・7%増の498億円と順調な伸びを見せており、両社ともネットを活用した新たな商品展開や販売手法に着手しているようだ。

 「総合」で4位のセシールも、ネット専用のファストファッションブランド「アニタ・アレンバーグ」が好調に推移しており、今秋冬シーズンには過去最多の商品数を投入する計画だ。同社のネット販売売上高は、受注ベースで本紙推定266億円となっている。

「衣料品」分野はモールがけん引

 「衣料品」では、ネットで商品を売ることに抵抗がなくなったファッションブランドの取り扱いを大幅に増やしているファッションモールが、ネット販売の市場をけん引しているようだ。

 その代表格がスタートトゥデイ。同社では前期にテレビCMを積極的に展開して認知度を拡大する一方で、ヤフーとの提携によって会員数拡大につなげた。同時に委託販売を増やすことで、品ぞろえの充実と品番当たりの奥行きを厚くした。こうした取り組みにより同社の売上高は前年比38・7%増の238億円で、ユニクロを抜いて「衣料品」の分野でトップとなった。

 一方のユニクロのネット販売売上高は、同22・2%増の230億円。同社ではツイッターを活用したキャンペーンなどにより小まめに自社通販サイトをチェックさせるなど、店頭勢としてネット販売への施策を積極的に仕掛けている。

 同じく有店舗企業としては、丸井が昨今のトレンドになりつつある"ネットとリアルの融合"を進めている。ネットで注文した商品の試着や受け取りができる店舗を拡充することで顧客の利便性を向上させているほか、昨年11月には楽天と提携し、「楽天市場」への出店も開始した。丸井のネット販売売上高は前年比4・5%増の164億円で、「衣料品」で3位となった。

家電は大幅増収本は楽天が2位

 「PC・家電」では、薄型テレビの需要増を背景に、家電関連で大幅な増収を達成した企業が目立つ。

 トップはジャパネットたかた。ネット販売売上高は575億円で、前年比46%増という高い伸びを示している。薄型テレビの販売が好調だったほか、テレビ以外の商品でも着実に売り上げを伸ばしている。前期からカタログやテレビ番組上にQRコードの記載を始めており、電話以外の受注に対して効率よくネットへ誘導し取りこぼしを防いでいるようだ。

 前年1位だったデルは、本紙推定の売上高が570億円で2位となった。昨年の国内パソコン市場は好調に推移したものの、同社では国内での出荷台数のシェアを前年から減らしているとみられる。

 注目すべきは、前年比で68・8%の増収となったMOA。同社は薄型テレビ需要増の恩恵を受けたほかノートパソコンも好調だった。さらに、09年から取り扱いを開始したスポーツ用品や化粧品など家電以外の品ぞろえを拡充したことが増収の要因となったようだ。

 「本・CD・DVD」を主力に販売するネット販売売上高のトップはアマゾンジャパン。同社の全売上高のうち約4割の1560億円程度を同分野で売り上げているとみられる。2位は楽天で、運営する楽天ブックスの売上高が大幅な増収を達成。アマゾンと同じく送料無料キャンペーンが好評で、売り上げ増を後押ししているもよう。

通販専業企業もネットを強化へ

 「化粧品」のネット販売市場は、通販専業や店販ブランドを問わず、重要なチャネルになりつつあり、通販専業型企業でもネット経由の売上高が4~5割に達している。

 ディーエイチシーのネット販売売上高は本紙推定で378億円。オルビスのネット販売売上高は本紙推定で157億円、ファンケルが本紙推定で155億円となった。

 オルビスは、主力ブランド「アクアフォース」のリニューアルに伴い、SNSをプロモーションに積極活用している。ファンケルも、日本オラクルが提供する顧客情報管理システムを導入。通販、店販、ネットなどチャネル別に管理していた顧客情報を一元化して、行動分析能力を高めている。

 「健康食品」でも各企業はネットへの取り組みを強化しており、やずやではネット販売売上高が50億円を上回ると思われ、わかさ生活も40億円を越すと推測される。

 特にわかさ生活は、ネット広告の出稿量を増やしているもようで、既存サイトのコンテンツ刷新のほか、交流サイトや情報サイトの新設にも着手するなど、ネットの強化を進めている。

表の見方

 2011年7~8月、通販・通教実施企業約1000社に対して行った。無回答の企業に関しては取材データや公表資料、民間信用調査を基に本紙推定値(「※」)を算出した。「受」は受注比率から算出した売上高を示す。

 調査対象は「個人向け物販」でデジタルコンテンツやチケット販売、宿泊予約、金融などの非物販に加え、オフィス用品などB〓Bも調査対象から外した。

 「前期実績」は10年6月~11年5月に迎えた決算期、「今期見込み」は11年6月~12年5月に迎える決算期。増減率は前の期の数値が判明していない企業や変則決算のため比較できない場合については掲載していない。

 表内項目の「全通販売上高の比率」は原則、総通販売上高に占めるネット販売売上高の占有率。

 表中、企業名横の「◎」は次の理由による。(5)デルは個人向け販売の推定値▼(9)楽天は楽天ブックスの売上高▼(10)イトーヨーカ堂はネットスーパーの売上高▼(11)ソニーマーケティングは10年10月にソニースタイル・ジャパンを吸収合併▼(14)ストリームは単体の売上高▼(19)MOAは卸販売を含む▼(25)カルチュア・コンビニエンス・クラブはレンタル事業などを除いた物販のネット販売売上高の推定▼(26)エプソンダイレクトはカタログ・電話経由の売上高を含む

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