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「月刊ネット販売調べ」09年度のネット販売市場は? 主要300社合計で1兆6900億円

013.jpg本紙姉妹誌「月刊ネット販売」が調査した2009年度のネット販売実施企業主要300社のネット販売売上高の合計額は1兆6900億円となった。前年度比では12%増で2桁成長を維持した。アマゾンジャパンやスタートトゥデイなど一部のネット販売専業社は今年度も大きく売上高を伸ばした一方、長引く不況は暗い影を落とし始めており、老舗通販企業や有店舗小売業・メーカー系の家電・PC販売サイトなど市場をけん引してきた各社の売上高は足踏み傾向にあるようだ。(2010年8月25日発売の「月刊ネット販売」9月号の特集「第10回ネット販売白書」に300社の売上高ランキング表および商材別の市場解説を掲載)






2桁増も各社で明暗分かれる

   「月刊ネット販売」が調査した売上高上位の主要300社のネット販売売上高(デジタルコンテンツやチケット、旅行、法人向けを除く個人向けの物販のネット販売)合計額は1兆6900億円だった。前回の調査では上位250社を調査対象としていた。前年度との比較のため、今年度の上位250社の売上高合計(1兆4800億円)と比べるとおよそ12%増となる。(表は上位50社を抜粋して掲載)

 アマゾンジャパンやスタートトゥデイなどが2桁成長を維持する一方、千趣会やニッセンを始めとする老舗通販企業のネット販売売上高はここ数年の成長率に反して、伸び悩み傾向。また、ストリームやエプソンダイレクトなど家電・パソコンを扱う通販サイトが減収に転じており、各社で明暗が分かれた結果となっている。09年度のネット販売市場の状況を主要な商材別に見ていく。

アマゾン、年商3千億円突破へ

 「総合」ではアマゾンジャパンが今年度も独走。年商は本紙推定で前年比27・5%増の3200億円まで拡大した。これまで通り、取扱商材の拡充を図り、ロングテール戦略を進めている。昨年から今年にかけて介護用品、ジュエリー、オフィス用品、楽器の専門ストアを設置。08年11月に新設した送料無料で30日以内であれば何度でも返品、返金に対応する靴と鞄の専門サイト「ジャバリ」も増収に貢献したようだ。昨秋から始めた送料無料キャンペーン業績拡大に寄与した模様。当初、対象商品は書籍のみで期間も約1カ月間だったが、販促効果が想定以上に高かったようで対象商品や期間を拡充。現状では送料無料キャンペーンはほぼ全商品で期間も無期限となっている。

 一方、前年まで2桁成長を遂げてきたカタログ系の老舗通販企業はやや足踏み状態となっている。千趣会のネット売上高は同1・2%増の671億円。ニッセンは同5・5%増の610億円と伸び悩んでいる。購入単価の下落など通販業績全体の苦戦がネット販売にも響いた結果となっている。ただ、他媒体に依存しない「純ネット売上高」は千趣会が10・2%増の441億円、ニッセンは13・2%増の454億円と好調で両社とも「カタログの受注ツール」から脱した形でネット販売を確実に強化できているよう。

 このほかで注目すべきは昨春にNTTドコモの傘下入りしたオークローンマーケティング。iモード上に設けた3つの公式サイトや「ドコモ動画」「ドコモポイント」などの販促ツールなどドコモのインフラを駆使して、モバイル経由の売上高を伸ばしている。ドコモとの連携が本格化する今後は更なるネット販売の伸びが期待できそうだ。

衣料品は新規参入が相次ぐ

 「衣料品」は大手など一部で好調ぶりがうかがえるものの、生き残り競争は激化傾向にあるようだ。スタートトゥデイはテレビCMや年間を通じての全商品送料無料キャンペーンなどが奏功して年間76万人の新規会員を獲得。売上高は前年比60%増の171億円まで拡大した。

 丸井は売り場を基点とした拡大策でリアル店舗のテナントにインセンティブを与えて店頭客のネット会員化に成功。また、ネットで購入した商品の試着や受取り、返品ができる拠点を4店舗に設置するなどでネット販売売上高は同25・6%増の157億円となった。

 昨年春にコーポレートサイトと通販サイトを一体化して通販利用者が増加したユニクロは前期も31・1%増の188億円と急伸。ポイントも店舗スタッフやネット会員のコーディネートが人気コンテンツとなり、サイトの滞留時間が伸び自社通販サイト売上高は12・8%増の24億円に拡大した。

 このほか、ギルト・グループが会員制セール販売の仕組みを昨年3月に持ち込んで一定の成果を上げているほか、同4月にはフォーエバー21が店舗進出と同時にネット販売を開始するなど、海外勢も続々と日本上陸を果たし、競争は激化傾向にあるようだ。

健食、化粧品も依然、拡大基調

 「健康食品」は全体的に拡大基調だ。32%増の125億円と依然、好調に売上高を伸ばすケンコーコムはもちろん、ネット販売の積極的な取り組みが見られなかった有力企業が、新規顧客開拓でネット販売を強化する動きが目立っている。やずやは数年前からネット広告の出稿を強化し、現在ではネット経由の売り上げが40億円を超える水準となっている。山田養蜂場でも若い世代の顧客の開拓を図るため、ネット専任の部署を設置して08年に発売したサプリメントシリーズのネット展開を強化している。

 「化粧品」はファンケルやオルビス、DHCなどが新規獲得にかかる広告の費用対効果や既存客のコスト効率化、若年層の開拓といった目的でネット販売を強化していることで依然、拡大傾向にある。今後は店舗市場を主戦場としてきた制度品メーカーが子会社や通販専用ブランドを使って低価格帯商品の販売戦略強化を打ち出しており、市場環境に変化の兆しが見られ始めている。

PC・家電は明暗分かれる


 「PC・家電」は高単価のため、これまで好調な伸びを見せてきたが、明暗が分かれた。昨年のPC市場は「Windows7需要」こそあったものの、小型の低価格PC「ネットブック」の普及などで単価は下落傾向にある。デルは依然、同分野ではトップだが国内でのPC出荷台数のシェアは前年から減らしている模様。また、エプソンダイレクトも大幅減収だったようだ。独立系のストリームも連結では336億円となったが、単体では減収。仕入れや倉庫、運営フローを統合したことで機会損失が起きたのが主な要因。ムラウチドットコムも個人消費の冷え込みの影響を受け、84億円で2桁減収だった。

 一方、好調なのはジャパネットたかた。メルマガの強化やサイト刷新で購入率が向上しネット販売売上高は25%増の393億円となっている。ビックカメラも192億円となり大幅増収。一昨年春のサーバー増強以降、サイトの表示がスムーズになり、購買率が向上しているようだ。カメラ販売のキタムラ子会社のピクチャリングオンラインも111億円となり大幅な増収だった。

 全社売上高は2兆円を超えるヤマダ電機のネット販売売上高(本誌推定)はすでに90億円前後とみられる。次の目標とする売上高3兆円を達成するためには、ネット販売を含めた通販市場は重要になってくるはず。今後の動向が注目される。

表の見方

  2010年7~8月、通販・通教実施企業約1000社に対して行った。無回答の企業に関しては取材データや公表資料、民間信用調査を基に本誌推定値(「※」)を算出した。社名横の「◇」は変則決算、「受」は受注比率から算出した売上高を示す。調査対象は「個人向け物販」でデジタルコンテンツやチケット販売、宿泊予約、金融などの非物販に加え、オフィス用品などB〓Bも調査対象から外した。

 「前期実績」は09年6月~10年5月に迎えた決算期、「今期見込み」は10年6月~11年5月に迎える決算期。増減率は前の期の数値が判明していない企業や変則決算のため比較できない場合については掲載していない。

 表内項目の「全通販売上高の比率」は原則、総通販売上高に占めるネット販売売上高の占有率。

 表中、企業名横の「◎」は次の理由による。(4)デルは個人向け販売の推定値▼(6)上新電機は手数料収入と無店舗販売等の合計売上高▼(11)セシールの前期は15カ月の変則決算▼(12)ストリームは単体の売上高▼(17)ビックカメラはTV通販を含む▼(19)エプソンダイレクトはカタログ・電話経由の売上高を含む▼(22)ジュピターショップチャンネルは前々期が15カ月の変則決算▼(26)カルチュア・コンビニエンス・クラブは09年10月にCCCを吸収合併▼(30)MOAは卸販売を含む▼(33)ネットプライスドットコムはグループの「ギャザリング事業」(ネットプライス)数値▼(47)ファッションウォーカーは09年7月にブランディングのEC事業を継承

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