- 2010年7月15日 10:50
- 媒体研究(紙・電波)
──他のカタログ通販が苦しむ中、増収増益を見込んでいる。
「前期、売上高は出荷ベースで前年比0・1%増の281億円、経常利益は12・2%増の20億円となりそうだ。平均単価は5%ぐらい下がったが、販売数量は伸びている。前期は、品質に問題のない輸入紙が入ってきて、紙代が下がった。これが一番大きい。紙の質を元に戻せたことが、売り上げにも影響した。前々期に減収減益となった原因の大部分は紙代だと分析している」
──足元の価格政策はどうか。
「なるべく商品単価は下げたくない。デフレ経済の中で、戦略的に下げている商品は一部あるが、安直な値下げはしない。全商品のうち、値下げしたアイテムは数%に過ぎない。仕入れ販売でそれ以上やると収益を圧迫する。ニトリやユニクロのように製販一貫でないと、安売りして利益を確保することは難しい」
──経済の動きが早い。
「確かに、1年先ですら予想するのは難しい。仕入れや買い取り販売を含め、事業環境の変化に合わせて、その都度、ジャッジを早くする。当社が顧客から求められているのはブランドイメージではなく、"小回り"にあると認識しているし、それが競合との差別化につながる」
──新規顧客層の開拓はできているのか。
「新聞折込みで30~50代が入ってくるケースもあるが、定着させるカタログがない。売り上げを伸ばすためには新しい媒体も必要だが、まだ人材面で戦力が整っていない。主要顧客が60歳以上なので、55歳くらいまではターゲットにしたいが、現段階で40代まで攻める気持ちはない。まずは、新しい層を取り込める商品を既存媒体で地道に載せていく」
──力を入れている商品カテゴリーは。
「当社の場合、大手カタログと比べると年齢層も取扱商品の幅も狭い。健康食品や化粧品など、定期購入が期待できる美容・健康分野を強化する。ただ、単品通販となるとアウトバウンドが必要になる。顧客にアウトバウンドをするのが良いのか、方法論も含めて構築する必要がある」
──300億円が目前だが、今期の計画は。
「平均単価に下げ止まり感がない中で、今期は前期の281億円を割らないことが大事だ。今が底値と見られる紙代や、景気動向にも注視している。利益率を維持しながらでないと、売り上げだけ伸びても意味がない。今は力を蓄える時期。内部体制の強化は課題のひとつで、会社の成長に人材が追いついていない。自前主義にこだわって戦力を強化したい」
──M&Aについての考えは。
「M&Aの手法には魅力を感じていない。やり方にもよるだろうが、社風の違う企業を買収しても、かかる労力と生み出すものがバランスしない。日本では、中身の良い会社はあまり売りに出ない。悪くなる原因があるから会社が傾くわけで、その中で仕事をしている従業員を変えていくのは大変だ。時間はかかっても、自社で一から人材を育てていく」
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