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上半期の通販市場を振り返る 「海外・リアル進出」本格化、ツイッターなどの活用もブームに

0111.jpgのサムネール画像2010年も残り半年となった。通販業界の上半期を振り返ると、楽天とヤフーなど大手仮想モールを筆頭に、新日本製薬やスタイライフなど通販事業者が続々と海外に進出する動きが目立った。また、「物産展」や「ファッションショー」などの「リアル展開」も注目すべき動向。新規客獲得の手段として、大手モールやアパレル通販企業などが力を入れ始めている。下半期は果たしてどのような流行が生まれるのか。それを占う意味で、上半期の主な通販業界の動きを振り返ってみる。


 上半期の動きの中で最も目立ったのは通販事業者の海外進出だろう。

 中でも話題を集めたのは大手仮想モール2社が激突した中国市場だ。まず楽天が1月、中国の検索サービス最大手の百度と合弁会社を設立すると発表。百度の集客力を活用し中国最大規模の仮想モールを構築したい考えで、今年の後半をメドに中国版の楽天市場「楽酷天」を開設する見通しだ。

 同様にヤフーもタオバオと組み、6月から商品の相互供給を開始。「ヤフー!ショッピング」出店店舗の商品がタオバオ内の購買代行サイトに自動掲載される仕組みで、約800万点の日本製品を販売。楽天とは異なるモデルで出店者の商圏拡大や仮想モールの商品力強化を図っている。

 これら仮想モール以外の通販事業者の動きも活発だ。例えば新日本製薬は上海に現地法人を設立し、現地での通販事業の準備を進めている。また、スタイライフも5月から人気ファッション誌「ViVi」の中国版でブックインブック方式でトライアルを開始。掲載商品を中国の通販サイトで買えるようにし、販売実績を見極めた上で本格展開を目指すという。

 このほか、ディノスが2月、初の本格的な海外進出として台湾で通販を開始。グループの現地法人に商品を卸し、通販サイト「fujidinos」が商品を販売していく仕組みだ。なお、ディノスは7月から自社主導で、海外ユーザー向けの多言語サイトを開設。これまで未対応だった海外発送に着手したもので、台湾での取り組みと並行して進めていく考えだ。

 海外、特に成長著しい中国は「有望市場」と目されており、今後も進出が活発化する可能性が高い。だが、商習慣の違いや認知度の問題などクリアすべきハードルも高く、成功事例は多くないのが現状。今後、どのように先行組が事例を作るか注目が集まりそうだ。

期待かかる「新客獲得」

 海外進出に劣らず目立ったのが通販事業者のリアル進出だ。

 千趣会は消費者参加型イベントとして、4月に男性向けカタログ「メンズ暮らす服」掲載商品のファッションショーを開催。一般から募集した子供が審査員となり人気コーディネートを決めるというものだ。手作り感から地元テレビ局で取り上げられるなど、ブランド認知度向上の面で一定の成果があったようだ。

 また、ジュピターショップチャンネルは大丸松坂屋と組み百貨店と連動したテレビ通販番組「ショップチャンネル フロム 大丸東京店」を放送。大丸東京店内の売り場から「生中継」する取り組みで、限定販売商品などを紹介した。イベントは盛況で、今後も同様の試みを行っていくという。

 ネット販売事業者では、代表的なのがマガシークの取り組み。3月に、大学生向けの音楽イベントにファッション情報を発信するコーナーを設置。アパレル企業のフォーアンドコレーと組み、同社のブランドやマガシークとのコラボアイテムなどをファッションショーで紹介した。ショーとの連動は、楽天も「原宿スタイルコレクション」で特設ブースの設置やショーなどを行っており、下半期も続きそうなトレンドと言えそうだ。

 ファッションショー以外では、ヤフー、楽天がそれぞれ百貨店と組んで「物産展」を開催したことが注目したいトピック。出店店舗の商品を「リアル販売」する試みで、両社とも一週間程度、百貨店の催事場を使ってモールの売れ筋商品をアピールした。ヤフーはセブン&アイ・ホールディングスと連携して複数チャネルにまたがるグルメイベントも進行させており、こちらも新しい試みとして注目を集めている。

話題の端末、可能性は?

 上半期後半で特に目を惹いたのが、アップル社の新端末「iPad」の通販活用だ。
 代表的な使用例は、千趣会が5月から行っている電子カタログの配信。「メンズ暮らす服」のPC版をベースにしたもので、カタログ画面から通販サイトの商品購入画面に遷移できるのが特徴だ。iPadへの電子カタログ配信はフェリシモも6月に着手しており、iPadの普及が進むにつれ、今後追随する企業は増加するとみられる。

 電子カタログ以外では、ニューヨーカーが実店舗でiPadを接客に活用。通販サイトで使用している商品画像などのデータを表示し、店頭では見られなかった欠品商品やコーディネートを素早く見られるようにしている。

 このほか、楽天もiPadを活用。「楽天ブックス」と「楽天市場」を連携させ、雑誌の無料閲覧アプリで掲載されている商品を楽天市場でそのまま購入できるサービスを始めている。それぞれまだ開始したばかりのサービスで売り上げへの貢献度は未知数だが、iPadのユーザーが増えれば、新しい「売り場」として見逃せない存在になる可能性もある。下半期も注目したい試みだ。

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