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天候不順が影響、若干苦戦か?──大手通販各社の「夏商戦」の出だし

 1111.jpg天候不順でアパレルやや苦戦。通販各社の夏商戦の立ち上がり状況は、春先から初夏にかけての天候不順の影響を受けて、衣料品の売れ行きがやや鈍い状況で推移しているようだ。ただ、一方で「紫外線対策の帽子」や「汗取りパット付きインナー」など"機能性の高い商品"や「自然に近い風を送る扇風機」「防水素材を使用したティッシュボックス」などの特徴を持ち、"訴求点が明確な商品"などは値段にかかわらず、売れ行きは各社とも好調のようだ。通販市場をけん引する大手の通販各社の今年の夏商戦における立ち上がりの状況と各社の売れ筋商品、今年の夏商戦の予想について見ていく。(主な通販各社の夏商戦の出だし状況は右の表参照)


 4月、5月の天候不順で気温が上がらなかった影響を受けて、いわゆる夏物商品が鈍化。特にアパレルの売れ行きについては多くの企業が苦戦しているようだ。

 ディノスはアパレルについても50代女性向けカタログ「ダーマコレクション」を軸に「夏号はファッション系全体で好調」とするが、千趣会では5月に連休以降は盛り返しているとしているが、3月の夏号発刊後、「気温が低く寒い日が続いたため、衣料品の出だしがあまりよくない」。同じくニッセンでも夏号発刊時の天候不順で「アパレル商品においては受注の立ち上がりが遅れている」。

 セシールも「4~5月にかけて、気温が上がらない日が多かったため、夏用のナイティ、ルームウエアー全般の動きがやや鈍い」。スクロールも「アパレル系はやや厳しい」。フェリシモも「ファストファッションの流行」などの天候以外の理由を挙げているがやはり、「20~30代向けのファッションは業績を落としている」という。

 ただ、一方で訴求点の分かりやすい機能性や特色を持った商品は雑貨にせよ衣料品にせよ、天候不順に左右されず、順調な売れ行きを見せる企業も少なくない。今夏商戦における各社の売れ行きのよい商品とはどのようなものなのだろうか。

 1-1.jpg例えば、アパレルも好調なディノス。やはり、天候不順で例年は夏の売れ筋商品である「冷感寝具の動きが鈍い」とする一方で、訴求点のわかりやすい生活雑貨などは順調としており、リビング系カタログ「ディノスウィズ」で掲載した体に優しい自然風に近い風を送る「グリーンファン(扇風機)」(=写真㊤)や同誌の表3で掲載の「ヴァイタミックス(ミキサー)」などが売れ筋となっている。これらの商品はいずれもこれまでディノスが販売してきた同ジャンルの商品に比べると高額の設定だが、機能性が顧客にとって分かりやすいなどで売れ行きのよいようだ。
 
 千趣会ではカタログ「すむとこ」の巻頭1ページを使って掲載した顧客の声を元に開発した独自商品「最強UV帽子(4型)」(=写真㊦)が3月からの発売で現在までに1万5000個を突破。同じく巻頭で紹介した「晴雨兼用UVケア日傘(8型)」も3月発売で2万個を売り上げている。それぞれ機能的で価格もロープライス。顧客の支持を集めたようだ。

 また、苦戦するアパレルの中でもカタログ「暮らす服」で掲載した「キッズ用のプリントTシャツ特集」は好調のようで「現在までに11万枚超を販売」したという。これは色柄の豊富さに加えて、1枚490円という価格設定と「3枚以上なら450円」という"お得な仕掛け"などの企画力が奏功したようだ。

 1-2.jpgセシールでの売れ筋もやはり、訴求点が明確な商品のようだ。日々の気温の変化が大きい時期に役立つ「汗取りパット付きインナー」や重点商品と位置付け、拡販に力を入れている立体設計で胸の形をきれいに見せる「3Dブラ」などのインナーのほか、アウターでは低価格や乾燥機対応などの機能性が人気の「タンブルドライパンツ」が「絶好調」(同社)としているほか、2枚重ねでインナーいらずの便利さと鮮度あるデザイン性で「シフォン使いプルオーバー」も売れ行きがよいようだ。

 イマージュでは夏号の巻頭で紹介したカットソー「チェンジングアイテム」が好調のようだ。表と裏で無地とボーダーという2つの着こなしができ、着まわしに活躍することなどを訴求点に売れ行きはよいという。このほか、表4で掲載した「エンジェルトップス」も着心地やデザイン性、ボトムスを選ばない着まわしができるなどで順調だという。

 フェリシモは生活雑貨・エコ関連商品などの売れ行きがよく、顧客の声もともに開発した水まわりに置いてティッシュの箱が濡れても大丈夫な素材で作った「水まわりのどこでも大活躍 樹脂性半分ティッシュボックスの会」(頒布会)などは好評だという。

 日本生活協同組合連合会では重点商品として拡販している「カップ付きインナー」が順調。「着心地が楽な仕様、選べるカラー展開、790円という1000円を切る価格設定が支持されている」と分析しており、同商品で「初夏、夏で合計10万点を越える進捗」としている。
 
 ピーチ・ジョンの好調な商品は「UVケアシリーズやデニンス系ボトム」としており、理由については「訴求ポイントが非常に分かりやすいためではないか」としている。

 以上が今年の夏商戦における各社の立ち上がり状況と売れ筋商品となる。天候不順でアパレルがやや苦戦する中、これから本番を迎える夏商戦をどう乗り切っていくのだろうか。主な通販各社の今年の夏商戦の戦略や見通しについて見ていきたい。

 今年の夏商戦は厳しい結果を予想する企業も多いようだ。まず、スクロールでは、やはり、アパレルの立ち上がりが「やや厳しい」状況だったため、夏商戦全体の予想も「アパレル系は昨年をやや下回る」とする。イマージュでも総合カタログの部数を削減した影響などもあり「昨年を下回る」と予想。同じくピーチ・ジョンでも「例年よりややダウン」と今年の夏商戦の結果を厳しく予測している。

 立ち上がりが比較的順調なディノスでも「アパレルは前年を上回る見込み」とするが「リビング系商品は天候不順で冷感寝具の売上が昨年と比べ、非常に苦戦しており、それを好調な家庭用品と復調の兆しを見せる家具収納用品でどれだけカバーできるか」という。

 美容健康系商品については昨年半ばくらいから自発運動を伴うエクササイズ器具が売れ始め、逆に主流だった単価の高い電気刺激系のシェイプアップ機器が鈍化。そのため販売数は増えても売上金額が伸びない状況で「今のところ、ほぼ前年並みの推移でトントン。ボーナス時期に行なう全社キャンペーンでどのくらい高単価商品の売り上げを伸ばせるかがポイント」とこれからの巻き返しを図っていく。

 セシールは夏商戦に予想については明らかにしてないが「インナーは薄着の季節の到来で夏に特化した素材使いのアウターに響きにくいブラ・ガードルの動きがさらに活発になる」と予想。その上で、「3Dブラ」「スーパーストレッチカップブラ」「背中すっきりブラ」など戦略商品の拡販を強化するとともに、アウターでは「UV系商品、楽ウエストパンツ、チュニックデザインに期待する」と今後の売れ行きに一定の自信を見せている。

 日本生活協同組合連合会は夏商戦の立ち上がり状況は衣料品が前年同期比1割増など好調であることから、見通しについても期待。「家庭用品の重点商品である涼感素材の敷きパッド(寝具)に期待。衣料品が堅調さを維持し、夏物寝具、収納関連商品や家具が動けば、昨年よりも売り上げの上乗せが期待できる」とする。

 また、大手通販企業のうち、唯一、夏商戦の立ち上がりが「好調に推移している」と答えたベルーナでは今年の夏商戦の結果予想についても、「カタログ・ネットともに昨年を上回る見込み」。同社では低単価商材の拡充を進めており、低価格なアパレルや生活・キッチン雑貨の品ぞろえを強化。徹底した価格訴求で好調さを維持しているようだ。

 天候不順の影響でアパレルが売れないなど厳しい状況でスタートを切ることになった今年の夏商戦。そうした逆境の中、通販各社は芳しくなかった前半戦を後半にどう巻き返していくのか。各社の戦略が例年以上に注視されそうだ。

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