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健食規制の"風"変わる、民主・統合医療議連が再始動、政治主導で一気呵成に

民主党がマニフェストに掲げる「統合医療推進」の動きが本格化し始めた。今年2月、政府が立ち上げた「統合医療プロジェクトチーム」に対し、民主党は4月中の議連結成を決めた。統合医療関連の予算増を政府に強く働きかけていくためだ。統合医療の中で健康食品も重点課題として取り上げられており、これを進める民主党議員たちからは、並々ならぬ意欲を感じる。機能性研究を軸に、これまであいまいな範疇におかれてきた健食の位置づけ明確化が現実味を帯びてきた。厳しい規制にさらされてきた健食業界に吹く"風"が変わろうとしている。

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統合医療議連4月に再始動

 民主党が統合医療関連の施策を一気呵成に進めている。今年2月、政府が健康食品等の科学的根拠確立をめざす「統合医療プロジェクトチーム(PT)」を発足すると、これに呼応して党サイドは、休眠状態にあった「統合医療を普及・促進する議員の会(議連)」(鳩山由紀夫会長)の再始動を決定。事務局の牧義夫議員事務所では「4月中に役員会を開き、後任の会長など人事構成を変えて活動を再開する」と明言した。

 すでにPTと連携体制を構築しており、「(PT副主査を務める)厚生労働省の医政局長が"連携してやっていこう"と、あいさつに来た」(同)という。約80人という大所帯からなる議連の規模も維持する見通し。今後、党内議論を再燃させ、政府に強く統合医療推進を迫る構えだ。

厚労省PT,健食も重点課題

 これに先行するPTの立ち上げも早かった。1月の委員会質疑で統合医療の問題が遡上にあがると数日後、厚労省内から15人の課長級を迎える大掛かりな陣容で発足。統合医療に関わる関係省庁から研究事業や予算事業を調査し始めた。
 
 PTは4月に全国組織を持つ業界団体からヒアリングを行う見通しで、健食も議連の中間報告(※)を基に検討するという。

参院直後の予算編成が山場


国家戦略として統合医療を進める民主党。効果検証が難しい統合医療分野の研究を進めるため、大幅な予算を投じる意向だ。
 
すでに漢方分野では前年の10倍に当たる約10億円の予算を確保。健食分野では、健食を使ったがんの代替医療研究も始まっている。

 ただ、来年度以降、健食にどの程度の研究予算が投じられるかは全くの白紙。今後、PTのヒアリングで得た要望を受けて研究予算が割り振られることになる。それだけに今夏の参院選後に行われる予算編成までは予断を許さない状況が続く。

 議連の山根隆治副会長は「健食も研究予算を取らなければ意味がない」として、思い切った予算措置を政府に迫っていく。


3人のキーマン生半でない意欲

民主党が長く構想を描いてきた統合医療推進は、大きな潮流になりつつある。そのキーマンと目されるのが山根、足立信也、鈴木寛の3議員だ。

 山根、足立両氏は、衆院選前、マニフェストで「統合医療」という文言が抽象的な表現に置き換えられていたことに「冗談ではない」と反発。滑り込みで統合医療推進を明確な方針としてねじ込んだ。足立氏は厚生労働大臣政務官としてPT主査も務めている。

 鈴木氏も「04年に国会で始めて統合医療に言及した方。思い入れは人一倍」と山根氏に評される人物。大学など多くの研究機関と太いパイプを持つ文部科学省の副大臣に就任しており、今後重要な役割を果たすことになるのは間違いない。

 さらに山根、鈴木両氏は今参院選で改選組ではなく、残り2年の任期を残すことも統合医療推進に拍車をかけることになるはず。長期的な視野に立ち、じっくり腰を据えて臨むことができるからだ。

国政復帰なるか前田前議員

そして、"連鎖販売擁護発言"で、離党を余儀なくされたあの議員もついに動き出す。前田前議員だ。

 在野に下っていた前田氏は3月3日に民主党公認を受け、今参院選に比例区から出馬。当選した暁には「党の一員として当然、議連と行動を共にする」と意欲を示しており、「消費者選択に寄与する情報提供が行われていない健食の現状は間違っている。国際情勢を踏まえ『何に効くか』を明確に表示できるようにすべき」と、健食の法制化に全力を注ぐ構えだ。

医師会の猛反発新会長で緩和か

一方、民主議員の動きを警戒するのが日本医師会だ。3月の定例記者会見では「統合医療の定義はまず医療界で議論すべき」「医療費削減政策への回帰に断固反対」と、その主張は真っ向からぶつかっている。

 ただ、この主張も風向きが変わるかもしれない。今年四月の会長選で、民主寄りとされる原中勝征氏が新会長に当選したからだ。この動きを山根氏も「原中さんは議連の櫻井充議員と親交があり、統合医療に一定の理解を持たれている方。いい風が吹いている」と歓迎する。

 医師会では、統合医療を巡る今後の方針について「新会長がどういった方針が示すかは分からない。ただ、基本方針に変更はないと思う」としており、強硬な態度がすぐ緩和されるとは思えない。が、新会長就任は、統合医療"推進派"に攻勢に転じる好機を与えることになりそうだ。

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民主党が進める統合医療は、健食業界にも順風をもたらすことになる。市場規模1兆円超に上る健食は、代替医療の中で漢方と同様、重要な位置づけを得る可能性が高いからだ。

 ただ、機能性研究一つとっても結論には数年を要することになる。PTとは別に、健食の表示問題を議論する消費者庁の検討会も「消費者委員会に継承後、さらに1年は検討が必要」(消費者委員会の委員)との見方が示されており、同時多発的に起きたこれらの動きが一つの焦点を結ぶのはまだ先といえそうだ。

 だが、健食の販売事業者にとって、市場環境の整備に欠かせない健食の「定義(範囲)」や「表示」に関わる問題が今、国家プロジェクトとして取り組まれ始めたことは間違いないといえる。

 ※=健食分野では、食品の機能性に関する科学的根拠の捉え方を確立し、食薬区分を定めるいわゆる「四六通知」の廃止や薬事法の改正、健食新法を制定する方針をまとめた。

健食業界にもたらすものは?
健食「定義」の明確化、想像とかけ離れた"未来"の懸念も


 民主党が矢継ぎ早に打ち出す統合医療推進の施策。その一分野を担う健食も「統合医療」という大船に乗り、共に浮上しようとしている。では、このことが健食業界にもたらす影響とは何か。

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民主党が国家プロジェクトとして推進する「統合医療」とは、西洋医学と、代替医療など東洋医学を組み合わせ、患者が最適な療法を選択できるようにすること。

 だが、代替医療の範囲はあまりに幅広い。米国のNIH(国立衛生研究所)が示す代替医療分野は、健食や漢方に留まらず、鍼灸やマッサージ、果てはホメオパシーや瞑想、気功などまで含まれる始末。ここまでくると、健食とかけ離れたイメージを持たざるを得ない。

 各分野の推進母体も異なり、統合医療を一体的に推進する日本統合医療学会も、健食業界と密接に関わりを持ってきたわけではない。では、「統合医療プロジェクトチーム(PT)」で、これら代替医療と共に健食が議論される意味とは何なのか。
                           
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 これまで、健食は西洋医学の視点から杓子定規に懐疑的な見方をされてきた。その理由の最たるものが健食に「定義」がないことがある。

 消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」をみても、健食は食品形態から錠剤・カプセル状まで幅広く、範囲があいまいなために議論が遅々として進まない。それぞれ求められる科学的根拠のレベルが異なり、どの程度のものを"機能性を持つ食品"と認めるか判断できないためだ。

 求める根拠のレベルを問えば「医薬品レベル」というものから「(消費者が判断できるのであれば)体験談でも良い」というものまで意見が異なるのもそのためだ。結果、何を目指せば良いか論点を見失うことになる。

 だが、統合医療の観点からその位置づけが明確になれば、自然と求められる科学的根拠のレベルやこれに見合う機能性・注意表示の範囲を決めることが可能になる。その意味でPTの議論が業界に与える影響は大きい。

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 ただ懸念もある。「医療用医薬品」と「OTC医薬品」の区別があるように、医療現場で利用される健食は海外で「メディカルサプリメント」として位置づけられ、自己責任の範疇で利用される健食と、その位置づけが全く異なることだ。「メディカルサプリメント」のみを定義づけることになれば、その基準は高いものにならざるを得ない。

 過去を振り返れば、2007年、健食関連事業者が結集した「エグゼクティブ会議」は、超党派の議連「健康食品問題研究会」と法制化を目指した。だが、法案作成を担当した自民党の古川俊治議員が目指したのは「特定保健用食品と医薬品の間に健食を位置づけるというもの」(議連に近い業界関係者)であったという。これでは、あまりに高いハードルを目指さなければならない。これと同じことがPTでも起きかねない。慎重な議論を求めるため、業界はPTの動静を注意深く見守らねばならない。

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 だが、現状をみるとあまりに早い政府の動きに、業界サイドが後手に回っている感が否めない。健食関連の事業者が多く加盟する日本通信販売協会や日本健康・栄養食品協会は、スピードを持ってこれに対処できなければ、要望を上げる間もなく、イメージとかけ離れた未来を手にすることになりかねない。















 



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