ネットの台頭に加え、折からの不況でテレビ局の広告収入の減少が続く。テレビ各局には死活問題ではあるが、通販企業を含む広告主側からすると、これまで高額な媒体費ゆえ、手が出なかった「テレビ」という強力なマスメディアを多少、安価に活用できる状況になってきたと言える。このため、最近ではテレビを使った各種販促策を開始し始めた通販企業が目立ってきている。既存の「テレビ通販」ではなく、各社は様々な方法でテレビを使いこなし、成果を上げ始めているようだ。
ドラマ連動で通販
衣料品のネット販 売を行う夢展望は今年1月下旬から、テレビを使った面白い試みを始めた。「ドラマ連動のネット販売」だ。日テレ子会社の日テレ7と組み、地上波やネットで 動画配信するショートドラマを制作。出演者には夢展望が販売する衣料品を「衣装」として身に付けさせる。ドラマを見た視聴者は気になる出演者の衣装を夢展 望の通販サイトで購入できる仕組みだ。
現状、全6話の動画配信と3話までのテレビ放送が終了している。詳細は明らかにしていないが売り上げは「当初の予想通り」(夢展望)と一定の効果が出ているようだ。
夢展望と日テレ7が共同制作したのは1話3―5分のショートドラマ。視聴者からバレンタインデーやホワイトデーのエピソードを募り、それをもとに制作。今 年1月21日から夢展望と日テレ7のサイト上でドラマを先行配信。1月26日から日テレ7の深夜枠「夜明けのマルシェ」でも放送を始めており、再放送を含 め3月6日まで放送される予定。
ドラマの出演者には人気ファッション誌モデルの鈴木亜美・亜耶姉妹、高橋真依子さん、菅野結以さんを起 用。ドラマ内では夢展望が販売する衣料品を出演者に衣装として着用させた。衣装はアウターやワンピース、カットソー、靴など500円から6000円までの 約50商品で、これらは連動する夢展望の通販サイトで販売する仕組み。ターゲットである若年女性層に人気の高いモデルが着用した衣装はそれだけでも訴求力 アップが期待できそうだ。
また、ドラマ視聴を促すため、日テレの7グループであるセブンイレブンやイトーヨーカドーなどの店舗店頭に動画配信サイトや番組を告知のPOPを設置するなどの仕掛けを実施している。
ドラマはネット上の動画配信だけではなく、深夜枠とは言え、日テレというキー局の地上波で放送されている。しかし、夢展望は通常のテレビ通販のように媒体 社である日テレ7に「枠代」ではなく、物販収益の一部を広告料として支払う形を採っている模様で、一般的なテレビの広告費より安価にテレビを活用できてい ると推測される。
ネット販売事業者にとって、「ネット以外」で新規顧客を獲得することは一定の売上規模の達し、それ以上の成長を望む場合、避けては通れない。そういった意味でこうした夢展望の試みと効果には注目が集まりそうだ。

地方局と連携で催事
地方のテレビ局と連携して共同で「催事」を開催して高い成果をあげている通販企業もある。小中学生向けに低価格アクセサリーの通販を行なうサン宝石だ。
同社は昨秋から地方のテレビ局と連携した催事販売を開始。テレビ局が自社広告枠を使って、地元の視聴者に催事の告知CMを放送。CM料金はテレビ局持ちで サン宝石は当該催事での売り上げから一定額をテレビ局に支払う仕組みだ。初回の青森放送と組んだ催事では売り場に長蛇の列ができ、3日間で数千万円を売り 上げるほどの成功を収めた模様。
サン宝石と組む地方局にとっても、自社枠を使ったコストのかからない形での告知だけで、一定の収益を見込めるメリットもあり、他の地方局からの引き合いも多いようだ。サン宝石では青森放送と同様の形で「テレビ局と連携した催事」を今後も強化していきたい考えだ。
サン宝石は昨年10月の2―4日の3日間、青森放送(RAB)と組み、青森市内のショッピングモールで大型催事「RABサン宝石フェア」を実施。商品販売 や少女雑誌の人気モデルを招いたイベントを開いた。低価格アクセサリーで小中学生女子が愛読するファッション誌などでも頻繁に取り上げられ、絶大な支持を 受ける同社の人気に目を付けたRABの担当者の打診を受けたもの。
催事開催に先駆け、開催日の22日前から、RABが自社のテレビとラジオの自社広告枠を使って「人気のサン宝石が青森にやってくる」といった告知CMを放送。テレビCMは15秒のスポットを中心に約250回放映。ラジオでも同じく250回の告知CMを流した。
当該層のサン宝石自体の人気や知名度のほか、先の告知CMが奏功した結果、当日、催事会場を設けたショッピングモールには地元の小中学生とその親で長蛇の 列。催事を告知するはずのCMも内容を急きょ、差し替え。来場を控えるような内容としたが時すでに遅し。最も混雑した最終日は、行列の最後尾には「5時間 待ち」の看板が立ったほどの盛況を見せ、当初は3日間で300万円程度の売り上げを見込んできたようだが、実際には3日間で数千万円の売り上げを上げたよ うだ。
催事単独の売り上げはもちろん、青森での催事後、通販でも当該地域の新規顧客が突出して増加。また、客単価向上やレスポンス率 アップなど通販への波及効果も高かった。テレビでの催事告知のCMは本来の目的のほか、雑誌を見ない通常の新規顧客開拓策では拾えない層にもリーチ。通販 の新規顧客獲得策としても機能した模様でサン宝石では同様の仕組みで地方局との共同催事を拡大している。
広告収入減で他事業の拡大を急ぐ地方局からの打診は多く、すでに複数の地方局で共同催事を開催。なお、直近では3月12―14日には札幌テレビ放送(STV)と組んだ「STVサン宝石フェア」が札幌市内で開催する予定のようだ。

テレビCMで認知度を
一部の大手通販企業を除き、あまり見かけなかった通販企業のCMも見られるようになってきた。そして、新規顧客獲得などに一定の成果をあげているようだ。
スタートトゥデイは昨年12月から今年1月にかけて、初めてテレビCMを放映した。投資金額は数億円規模でキー局を含め関東、関西、中京、北海道、福岡、宮城、静岡の計七地区で放映。30秒と15秒のスポットCMを流した。
内容は同社の通販サイト「ゾゾタウン」を紹介するものと、冬の大型セールを告知するもので、セール前に知名度を上げ新規顧客の開拓を狙った。東証マザーズ 上場2周年の記念日(12月21日)に合わせて放映開始した「はじめまして篇」では、「ゾゾタウン」を知らない消費者に向け、取り扱いブランドの一部や、 豊富な商品ラインアップを紹介するなど、「ゾゾタウン」が自己紹介をしているイメージで企画からクリエイティブ・アートディレクションまでを社内で制作し た。
セール直前の12月29日から放映を始めた「2010冬セール篇」では、シンプルにセール開催をアピール。また、テレビCMを放映する直前には初のムック本も発売しており、紙媒体とテレビのクロスメディアで認知度アップを図った。
この結果、昨年4―11月までの会員数の伸びが月平均4万5000人だったのに対し、12月は13万2000人、今年1月は15万8000人と記録的な集客アップに成功。アクティブ会員も12月―1月平均で7万人増えた。
会員増加で冬季セールは、開始後5日間の取扱高が前年同期比約2,3倍を記録。「服好き、ファッション好き以外の消費者にも訪問してもらえた。"チラミ"ではなく、実際の購入につながった」(前澤社長)とする。
CMの中で「シェル」など人気ブランドの名前を出して訴求したことや、送料無料施策も成功につながった要因と分析。「今後も効果的にCMを打っていく」(同)としており、夏のセール前などを候補にテレビCMを打つことになりそうだ。
同じく携帯電話のアクセサリーを販売するStrapyaNext(ストラップヤネクスト)でも昨年11月30日から12月20日まで、太陽光で充電できる
ソーラーパネルを搭載したストラップ型の携帯電話用充電器「ソーラーチャージeco2」のテレビCMを関東地区で放映した。
放送局はフジテレビで、CM投入量は15本。費用は約400万円。CM内容は青空の下で出演者がポーズを取りつつ、商品名を連呼するもの。女性モデルのほか同社社員から若い女性や中年男性などを起用し、幅広い層を対象とした商品であることをアピールした。
狙いは法人営業への効果。ソーラーチャージシリーズはネット販売のほか、家電量販店などにも卸を行う。CMが会社のイメージ向上につながると判断した。放 映時期が年末商戦と重なっていただけに「CM放映に合わせ売り場での露出を高める店があった」(北村和順取締役兼商品部マネージャー)と話す。
自社通販サイトへの導線としては当初から期待していなかったものの、通販サイトではCMの放映をアピールし、動画も閲覧できるようにした。北村氏は「ブランドや商品の価値を高める一定の効果はあるのでは」と分析する。
メディアの多様化は進むが現状、最大のマスメディアは「テレビ」。不況は「通販企業とってはテレビという強いメディアを活用できるチャンス」(某通販企業幹部)とも言えそうで、今後も様々な形でテレビを活用する通販企業が増えそうだ。
衣料品のネット販 売を行う夢展望は今年1月下旬から、テレビを使った面白い試みを始めた。「ドラマ連動のネット販売」だ。日テレ子会社の日テレ7と組み、地上波やネットで 動画配信するショートドラマを制作。出演者には夢展望が販売する衣料品を「衣装」として身に付けさせる。ドラマを見た視聴者は気になる出演者の衣装を夢展 望の通販サイトで購入できる仕組みだ。
現状、全6話の動画配信と3話までのテレビ放送が終了している。詳細は明らかにしていないが売り上げは「当初の予想通り」(夢展望)と一定の効果が出ているようだ。
夢展望と日テレ7が共同制作したのは1話3―5分のショートドラマ。視聴者からバレンタインデーやホワイトデーのエピソードを募り、それをもとに制作。今 年1月21日から夢展望と日テレ7のサイト上でドラマを先行配信。1月26日から日テレ7の深夜枠「夜明けのマルシェ」でも放送を始めており、再放送を含 め3月6日まで放送される予定。
ドラマの出演者には人気ファッション誌モデルの鈴木亜美・亜耶姉妹、高橋真依子さん、菅野結以さんを起 用。ドラマ内では夢展望が販売する衣料品を出演者に衣装として着用させた。衣装はアウターやワンピース、カットソー、靴など500円から6000円までの 約50商品で、これらは連動する夢展望の通販サイトで販売する仕組み。ターゲットである若年女性層に人気の高いモデルが着用した衣装はそれだけでも訴求力 アップが期待できそうだ。
また、ドラマ視聴を促すため、日テレの7グループであるセブンイレブンやイトーヨーカドーなどの店舗店頭に動画配信サイトや番組を告知のPOPを設置するなどの仕掛けを実施している。
ドラマはネット上の動画配信だけではなく、深夜枠とは言え、日テレというキー局の地上波で放送されている。しかし、夢展望は通常のテレビ通販のように媒体 社である日テレ7に「枠代」ではなく、物販収益の一部を広告料として支払う形を採っている模様で、一般的なテレビの広告費より安価にテレビを活用できてい ると推測される。
ネット販売事業者にとって、「ネット以外」で新規顧客を獲得することは一定の売上規模の達し、それ以上の成長を望む場合、避けては通れない。そういった意味でこうした夢展望の試みと効果には注目が集まりそうだ。
地方局と連携で催事
地方のテレビ局と連携して共同で「催事」を開催して高い成果をあげている通販企業もある。小中学生向けに低価格アクセサリーの通販を行なうサン宝石だ。
同社は昨秋から地方のテレビ局と連携した催事販売を開始。テレビ局が自社広告枠を使って、地元の視聴者に催事の告知CMを放送。CM料金はテレビ局持ちで サン宝石は当該催事での売り上げから一定額をテレビ局に支払う仕組みだ。初回の青森放送と組んだ催事では売り場に長蛇の列ができ、3日間で数千万円を売り 上げるほどの成功を収めた模様。
サン宝石と組む地方局にとっても、自社枠を使ったコストのかからない形での告知だけで、一定の収益を見込めるメリットもあり、他の地方局からの引き合いも多いようだ。サン宝石では青森放送と同様の形で「テレビ局と連携した催事」を今後も強化していきたい考えだ。
サン宝石は昨年10月の2―4日の3日間、青森放送(RAB)と組み、青森市内のショッピングモールで大型催事「RABサン宝石フェア」を実施。商品販売 や少女雑誌の人気モデルを招いたイベントを開いた。低価格アクセサリーで小中学生女子が愛読するファッション誌などでも頻繁に取り上げられ、絶大な支持を 受ける同社の人気に目を付けたRABの担当者の打診を受けたもの。
催事開催に先駆け、開催日の22日前から、RABが自社のテレビとラジオの自社広告枠を使って「人気のサン宝石が青森にやってくる」といった告知CMを放送。テレビCMは15秒のスポットを中心に約250回放映。ラジオでも同じく250回の告知CMを流した。
当該層のサン宝石自体の人気や知名度のほか、先の告知CMが奏功した結果、当日、催事会場を設けたショッピングモールには地元の小中学生とその親で長蛇の 列。催事を告知するはずのCMも内容を急きょ、差し替え。来場を控えるような内容としたが時すでに遅し。最も混雑した最終日は、行列の最後尾には「5時間 待ち」の看板が立ったほどの盛況を見せ、当初は3日間で300万円程度の売り上げを見込んできたようだが、実際には3日間で数千万円の売り上げを上げたよ うだ。
催事単独の売り上げはもちろん、青森での催事後、通販でも当該地域の新規顧客が突出して増加。また、客単価向上やレスポンス率 アップなど通販への波及効果も高かった。テレビでの催事告知のCMは本来の目的のほか、雑誌を見ない通常の新規顧客開拓策では拾えない層にもリーチ。通販 の新規顧客獲得策としても機能した模様でサン宝石では同様の仕組みで地方局との共同催事を拡大している。
広告収入減で他事業の拡大を急ぐ地方局からの打診は多く、すでに複数の地方局で共同催事を開催。なお、直近では3月12―14日には札幌テレビ放送(STV)と組んだ「STVサン宝石フェア」が札幌市内で開催する予定のようだ。
テレビCMで認知度を
一部の大手通販企業を除き、あまり見かけなかった通販企業のCMも見られるようになってきた。そして、新規顧客獲得などに一定の成果をあげているようだ。
スタートトゥデイは昨年12月から今年1月にかけて、初めてテレビCMを放映した。投資金額は数億円規模でキー局を含め関東、関西、中京、北海道、福岡、宮城、静岡の計七地区で放映。30秒と15秒のスポットCMを流した。
内容は同社の通販サイト「ゾゾタウン」を紹介するものと、冬の大型セールを告知するもので、セール前に知名度を上げ新規顧客の開拓を狙った。東証マザーズ 上場2周年の記念日(12月21日)に合わせて放映開始した「はじめまして篇」では、「ゾゾタウン」を知らない消費者に向け、取り扱いブランドの一部や、 豊富な商品ラインアップを紹介するなど、「ゾゾタウン」が自己紹介をしているイメージで企画からクリエイティブ・アートディレクションまでを社内で制作し た。
セール直前の12月29日から放映を始めた「2010冬セール篇」では、シンプルにセール開催をアピール。また、テレビCMを放映する直前には初のムック本も発売しており、紙媒体とテレビのクロスメディアで認知度アップを図った。
この結果、昨年4―11月までの会員数の伸びが月平均4万5000人だったのに対し、12月は13万2000人、今年1月は15万8000人と記録的な集客アップに成功。アクティブ会員も12月―1月平均で7万人増えた。
会員増加で冬季セールは、開始後5日間の取扱高が前年同期比約2,3倍を記録。「服好き、ファッション好き以外の消費者にも訪問してもらえた。"チラミ"ではなく、実際の購入につながった」(前澤社長)とする。
CMの中で「シェル」など人気ブランドの名前を出して訴求したことや、送料無料施策も成功につながった要因と分析。「今後も効果的にCMを打っていく」(同)としており、夏のセール前などを候補にテレビCMを打つことになりそうだ。
放送局はフジテレビで、CM投入量は15本。費用は約400万円。CM内容は青空の下で出演者がポーズを取りつつ、商品名を連呼するもの。女性モデルのほか同社社員から若い女性や中年男性などを起用し、幅広い層を対象とした商品であることをアピールした。
狙いは法人営業への効果。ソーラーチャージシリーズはネット販売のほか、家電量販店などにも卸を行う。CMが会社のイメージ向上につながると判断した。放 映時期が年末商戦と重なっていただけに「CM放映に合わせ売り場での露出を高める店があった」(北村和順取締役兼商品部マネージャー)と話す。
自社通販サイトへの導線としては当初から期待していなかったものの、通販サイトではCMの放映をアピールし、動画も閲覧できるようにした。北村氏は「ブランドや商品の価値を高める一定の効果はあるのでは」と分析する。
メディアの多様化は進むが現状、最大のマスメディアは「テレビ」。不況は「通販企業とってはテレビという強いメディアを活用できるチャンス」(某通販企業幹部)とも言えそうで、今後も様々な形でテレビを活用する通販企業が増えそうだ。
- Newer: 日本ロレアル 春夏カタログ、自然コスメの立ち上がりが順調
- Older: 「TSS」の現状と今後を聞く ㊥
Trackbacks:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.tsuhanshinbun.com/mtos-admin/mt-tb.cgi/258
- Listed below are links to weblogs that reference
- "テレビ"を使いこなせ 通販各社のテレビ活用術 from 通販新聞

