「家で過ごす時間」の充実を
不況の今、どのような商品が通販各社で売れているのか。別表が主な通販企業での売れ筋商品だが、いくつかの「キーワード」があるようだ。
まずは不況による「巣篭もり」で家庭で過ごす時間が増えたことで、その時間を充実させるための商品が各社でも人気となっているようだ。
例えば、ディノスが昨年4月から販売している「内転筋エクササイザー」(価格・1万4,800円)。在宅率増加や医療費負担増で健康の自己管理意識が高まっていることで「体を鍛える」人が増加。また費用を払ってジムに行かずとも「1日1分」でトレーニングできる手軽さを訴求、テレビやカタログ、ネットで累計販売台数2万5,000台のヒットとなっている。
家庭での時間が増えたことで、「手作り料理」に力を入れ始めた消費者も多いよう。千趣会が昨年12月から頒布会「マンスリークラブ」で販売を始めた米粉を主材料にした製菓材料キット「米粉の気持ち」も好調だ。米粉を使ったスイーツの製菓キットが毎月送られてくる仕組みで、価格は毎月880円(税込)。計量済みの材料を混ぜ、型に入れて焼くだけという手軽さが受け、2月度の出荷数量は約6,000セットとなる見込み。「料理」というキーワードではディノスが昨年10月から販売した「おしゃれな割烹着」(価格・6,900円)も売れているようだ。
外出を控えて部屋で過ごす人が増え、おしゃれな部屋着などの人気が高まっていることからベルーナでも1月から販売している「マカロン座椅子」(価格・2,990円)がヒット。マカロンをかたどった座椅子で3段階リクライニングを備えたほか、生地にはタオルなどに使われる、肌触りの良い「パイル地」を使用した。スイーツを模した雑貨や小物、携帯電話のデコレーションなどの流行をヒントに企画したもので、雑貨カタログ「素敵な雑貨とインテリア」春号の先行販売では、他の座椅子に比べて約3倍の売り上げがあった。
不況で辛い日常を癒す「心の安らぎ」を求める人のニーズを満たす商品もヒットしているようだ。
フェリシモが昨年1月から予約発売を開始した「500色の色えんぴつ」。毎月25本・25色ずつ届き、20カ月で計500本がそろう仕組みだが、2人で申し込むと1セット1,800円が1,000円に値引きされる「ともにしあわせになるしあわせ割りキャンペーン」や広告の集中出稿などの仕掛けも奏功。普段は目にしない変わった色の鉛筆は癒し効果もあるようで、今年1月で約5万2,000件の受注を獲得した。
同じく生活必需品ではなく、「癒し」で隠れた人気なのがディノスの「ビーズクッション ブタ」(価格・3,990円)。外見は金のブタ、クッションは極小ビーズで触り心地もよく、サイト上でのくちコミでは「絶賛」の声が多数。クッションとして販売しているものの、ぬいぐるみ感覚で癒しを求め「家族みんなで購入するケースも多い」(同社)。もともとはネット限定で販売していたが、反響の大きさからカタログでも販売に踏み切ったほどのヒット商品となっている。
機能性や使い勝手で訴求
不況下で「買う気」を喚起させるには「高機能性」や「便利さ」が必要だ。有り余るほどの商品は持ち合わせている消費者に「もう1着」を促すには特色が必要になる。
JALUXでは「新・美軽シューズ」がロングセラー。シリーズ第1弾は累計約1万6,000足。現在の第2弾も昨年1月から累計で約3,800足を売り上げた。スニーカー感覚で履くことができ、旅行カバンの中に折りたたんで収納、旅先で使い勝手のよいことが人気を呼び、30―50代女性から支持を集める。
セシールは「補正機能付きブーツカットパンツ」が好調だ。昨年12月から現在まで当初の販売予想を約85%上回っている。パンツ内側のライナーで締め付け感なく楽に着用、美しいラインを維持できるのが特徴だ。価格は4,990円と同社のパンツの中では高いが、体形の崩れが気になるミセスの悩みに対応、ヒットしている。
イマージュではエアーパッド付きの下着セット「エアリーメイク」が売れている。パッドとブラジャー、ショーツ2枚とのセットで税込4,179円で販売。ブラジャーのカップ部分にパッドを入れてバストを押し上げ、大きく見せるもので、指で押すとパッドが膨らむ手軽さと安さが人気の秘密のようだ。ネットで先行販売した「洗える4点セットスーツ」(価格・1万500円)も好調。昨年10月上旬から発売し、「予想を大幅に越える売れ行き」(同社)で、当初見込みの3倍の売り上げになる見込み。
サルースはブーツとパンプスで展開する「ヒートシューズシリーズ」(価格はブーツが4,900円、パンプスが3,800円)の売れ行きが良い。パンプスの中敷やブーツの生地に蓄熱素材や低反発素材を採用。冬でも足元が暖かく疲れにくいなどおしゃれ+αの機能性で昨年10月から累計で2万5,000足を販売した。
夢展望では「ペチパン(ペチパンツ)」がヒット。ワンピースやチュニックの下に履くパンツで、昨年1月の発売から累計5万5,000着を販売。着まわしの良さが奏功し、ワンピースとのセット購入や色違いで購入するケースが目立っている。
不況下で消費者の購買意欲を喚起するもう一つのポイントは「高品質かつ低価格」。「安かろう悪かろう」では動かない。安さ+商品の良さが消費者を動かす。
ディノスが昨年11月から販売する「ワケあり ズワイガニの脚 5kgセット」(価格・8,980円)がヒット。漁船から直に仕入れ、価格を抑えたのが人気の秘密だ。船で梱包するため、「脚折れ」等の「訳あり」となる場合もあるが質とボリューム、価格に商品の特徴を絞り、「カニを安く腹いっぱい食べたい」というニーズを汲み取った。
千趣会では30代をメーン女性向けの「ソフトスカートバリエーション」が好調。価格は1,990―2,990円(税込)。手頃な価格も含め、既存のアイテムとの組み合わせで様々な着こなしをでき人気を集め、1月19日の段階で約六万六千枚を受注している状況。今春号では販売数量4万枚、売上高9,000円を予想する。
スクロールでは「レギンスパンツSH667」(価格・1,990円)が売れている。昨年10月から1万3,500本を突破。レギンスやトレンカが流行する中で、ボトムとして着用するレギンスパンツが増えていることに着目。カラーバリエーションを豊富に取り揃え、価格を抑えたことが奏功したようだ。
不況でも売れる商品とは「価格」「デザイン」「機能」のバランスがよい優れた商品だ。この時期に培った商品開発力は各社の財産になりそうだ。
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