品質と価格の対比で値頃感訴求
千趣会では、10月から冬カタログの展開を開始。カタログの統廃合や配布先の絞り込みなどで、発行部数は前年よりも約10%減少しているという。
基幹カタログの「私たちの暮らす服」では、秋冬カタログに引き続き、価値のある商品と価格を訴求した一押し商品を「暮らす品質」として訴求。発熱ウェアの品揃えを拡充するほか、暖かく過ごせるアウターウェアを「私たちの生活着」として括り、素材へのこだわりと値頃感のある価格の商品として訴求する。
インテリア雑貨カタログ「私たちの新住まいと雑貨」は、お買い得価格の「イチオシアイテム」を1ページ・1型で展開。カタログ導入部分で、ビジュアルと価格表現からインパクトを打ち出したのが特徴だ。特集企画では、顧客の消費マインドを勘案し、縁起ものや風水、節約といったキーワードで、雑貨、インテリア、ファブリックなど気軽に購入できる商品をカタログ前半にまとめた。
商品販売動向としてはファッションでチュニックやハウスウェア、などが好調。インテリア・雑貨は、全般的に冬物商材が低調だが、低価格や買い得感を訴求した商品の引き合いが強いという。
全体の受注状況は、受注件数および購入単価とも、前年を下回るペースで推移。計画比では、9月まで堅調だったが、10月以降は天候不順の影響で「厳しい状況が続いている」(広報)。今後は、ネットへのシフトやターゲットを絞り込んだ効率的な展開に注力。既存顧客の継続利用促進に力を入れる考えだ。
価格に加え品質でも訴求を強化
ニッセンでは昨年同様、10月下旬から冬カタログの展開を開始。同社でもカタログの配布効率を重視しており、発行部数は、「前年より大幅に減らしている」(ニッセンホールディングス経営企画室)という。カタログ発行からまだ間もなく、細かな販売動向を把握しきれていない面もあるが、消費マインドの冷え込みが続く中にあっては、比較的堅調な出足となっているようだ。
同社はこれまで、消費者の価格志向への対応を狙いに、価格訴求型の施策に取り組んできたが、今冬カタログでもこの路線を踏襲。カタログ掲載商品全品(約6,200品番)の販売価格を前年比で平均20%ダウンとするなど、より強力な価格戦略を打ち出した。
さらに、顧客の購買意欲を喚起する仕掛けとして、ファッション性や素材品質、機能性も追及した戦略商品を投入。具体的には、発熱・保温素材を使用した「あったかTシャツ」(税込990円)、コタツ本体や掛け布団など8点セットの「選べる洗える省スペースコタツセット」(同9,990円)などで、カタログでも訴求を強化する。
同社がカタログの展開を始めた10月下旬以降は気温が低下し始め、これに伴い冬物の売れ行きが上向いている状況。その中でも価格戦略商品が動いているという。受注状況としては、予測とのブレもあるが、「ほぼ計画通りに推移している」(同)とする。
お買い得商品拡充で手応え
ベルーナもカタログの発行開始が10月下旬からで、現状、詳細な販売動向は見えていないが、顧客の志向に対応した商品展開で手応えを感じているようだ。
同社の場合、カタログの発行時期は前年とほぼ同じ。発行部数の増減については不明だが、中間期までの取り組みでは、前年比で10%程度削減していると見られる。
今冬シーズンの展開で力を入れているのは、お買い得価格商品の拡充。これは、顧客の低価格志向に対応した施策だが、既にお買い得価格商品を増やしたことによる効果は出ているという。全般的な傾向としては、低価格商品の売り上げが特に伸びているわけではないが、下げ止まり感があり、下期はトントンかプラスで推移する可能性もあるようだ。
機能衣料好調、2桁増の受注に
一方、セシールでは、10月1日から本格的なカタログの展開を開始した。発行部数に関しては公表していないが、受注は好調に推移しているようだ。
今年の冬カタログの展開では、顧客との連携を意識した誌面作りを強化し、ネットに書き込まれたくちコミ情報など、顧客の生の声を掲載。より商品をリアルに感じてもらえるようにした。
商品面では、吸湿発熱素材を使用した衣料品「スマートヒート」シリーズや、発熱素材を使用した毛布などの訴求を強化。「スマートヒート」シリーズ商品を掲載する「セシレーヌ」や「すてきさろん」「メンズセシール」のほか、発熱素材使用商品を掲載する雑貨カタログ「あったか暮らし」が好調だとする。
他の商品で動きが見られるのは、着膨れせずにスラリと着られるダウンコートやフリースのパジャマ。「スマートヒート」シリーズも含め、防寒衣料でありながら軽さや薄さをコンセプトとし、品質と比較した値頃感や豊富なサイズ展開を有するのが共通した傾向だ。
社名変更に因んだ企画など展開
一方、スクロールでは、例年並みの10月初旬から冬カタログの展開を開始。発行部数は、昨年とほぼ同じ水準だ。
今冬カタログの展開では、「RAPTY」の巻頭で社名変更に因んだ企画ページを設け、多色カラー展開のレギンスパンツやエンジニアブーツなど、キャンペーン商品66品目を掲載。このほかに、読者によるコーディネート紹介ページを設けるなど、購買意欲の喚起の仕掛けを盛り込んだ。また、ネット販売の「きれいみつけた」で展開するヘルス&ビューティーケア商材の売れ筋をカタログ「RAPTY」に掲載するなど、ネットとの連携も強化した形だ。
商品の販売動向としては、ニットコートやキルティングジャケットなど、軽めの羽織コート、カジュアルブーツなどが好調。際立ったトレンドがないため、丈感などの細部に注意した商品企画を行っているという。
今冬の立ち上がりとしては、「厳しい受注状況で推移している」(同社)が、今後、企画段階の期間短縮に取り組み、市場の動向に対応した商品企画ができる体制の構築を目指す構えだ。
コーディネート提案商品が好評
フェリシモでは冬カタログを11月初旬に発行したばかりで前年と比較しにくい状況だが、20代向けの衣料品カタログ「haco.(ハコ)」では、巻頭企画の反応が良いという。
今回のカタログでは、「ウチハコ.」と題して家で暖かく過ごすためのルームウエアなどのアイテムを訴求。中でも大判ブランケットにお化けの顔の絵入りで、頭からかぶるとお化けに見える「おばけブランケット」(税込2,900円)は受注に勢いがあり、11月9日現在で受注ランキングの10位以内に入っている。
「ハコ」はフェリシモが展開する複数の独自ブランドを紹介するカタログだが、"甘すぎない柔らかいテイスト"の「スロウ」が秋号に続いて好調という。特にブランドの冒頭ページで紹介したコーディネートが顧客のニーズと合致。ショートコートにバレリーナスカート、くしゅくしゅブーツの組み合わせなどが支持を得ており、コーディネート提案をした商品が、全体売り上げの上位にランクインしている。
値頃感や需要先取りで拡販を狙う
一方、三越では、冬カタログの立ち上がりは前年並み。服飾雑貨の動きが良い一方、昨年のリーマン・ショック以降動きが鈍い宝飾関連が引き続き反応薄となっている。
衣料品については、定番商品や「『お客様の声』実現企画」と題して提案したアイテムの動きがよく、具体的には基幹カタログ「三越カタログ」の最終ページに掲載した「『お客様の声』実現企画」のアンゴラ混裏地付カーディガン(税込6,800円)が「特に好調」(通信販売事業部)。企画ページには当該商品以外に2商品を掲載するが、もともと1万円以上を超える商品であったため、「値ごろ感を感じやすかったのではないか」(同)と人気の理由を分析する。
例えば、当該商品の上部に掲載する毛100%のベスト(税込1万290円)は、裏地をつけていないが、当該商品は風を通しにくい「総裏仕立て」で袖までの裏地付き。こうした工夫に値ごろ感を持ったようだ。
また、大丸ホームショッピングでは冬カタログの発行部数を昨年よりも若干増やし、発行時期も、昨年から従来よりも2週間早い10月上旬に変えている。発行日を早めた狙いは、本格的に寒くなる前の「冬支度のリビング商戦と合わせるため」(加藤俊克社長)。冬カタログの出足は、リビング関連が計画通りで、全体では「前年よりも少し改善」(同)したが、カテゴリーで見るとコートの出足は悪いとしている。
各社の冬カタログの立ち上がりは概ね低調な推移となったが、冬商戦本番に向け、販促を積極化していく考え。一方、消費の低迷が続く中、顧客ニーズを的確に捉えた商品の展開が重要になっており、今後の展開ではネットを活用した効率化や商品展開のスピードアップ、さらに原材料調達や商品の企画、製造体制なども含めた総合力が問われることになりそうだ。
千趣会では、10月から冬カタログの展開を開始。カタログの統廃合や配布先の絞り込みなどで、発行部数は前年よりも約10%減少しているという。
基幹カタログの「私たちの暮らす服」では、秋冬カタログに引き続き、価値のある商品と価格を訴求した一押し商品を「暮らす品質」として訴求。発熱ウェアの品揃えを拡充するほか、暖かく過ごせるアウターウェアを「私たちの生活着」として括り、素材へのこだわりと値頃感のある価格の商品として訴求する。
インテリア雑貨カタログ「私たちの新住まいと雑貨」は、お買い得価格の「イチオシアイテム」を1ページ・1型で展開。カタログ導入部分で、ビジュアルと価格表現からインパクトを打ち出したのが特徴だ。特集企画では、顧客の消費マインドを勘案し、縁起ものや風水、節約といったキーワードで、雑貨、インテリア、ファブリックなど気軽に購入できる商品をカタログ前半にまとめた。
商品販売動向としてはファッションでチュニックやハウスウェア、などが好調。インテリア・雑貨は、全般的に冬物商材が低調だが、低価格や買い得感を訴求した商品の引き合いが強いという。
全体の受注状況は、受注件数および購入単価とも、前年を下回るペースで推移。計画比では、9月まで堅調だったが、10月以降は天候不順の影響で「厳しい状況が続いている」(広報)。今後は、ネットへのシフトやターゲットを絞り込んだ効率的な展開に注力。既存顧客の継続利用促進に力を入れる考えだ。
価格に加え品質でも訴求を強化
ニッセンでは昨年同様、10月下旬から冬カタログの展開を開始。同社でもカタログの配布効率を重視しており、発行部数は、「前年より大幅に減らしている」(ニッセンホールディングス経営企画室)という。カタログ発行からまだ間もなく、細かな販売動向を把握しきれていない面もあるが、消費マインドの冷え込みが続く中にあっては、比較的堅調な出足となっているようだ。
同社はこれまで、消費者の価格志向への対応を狙いに、価格訴求型の施策に取り組んできたが、今冬カタログでもこの路線を踏襲。カタログ掲載商品全品(約6,200品番)の販売価格を前年比で平均20%ダウンとするなど、より強力な価格戦略を打ち出した。
さらに、顧客の購買意欲を喚起する仕掛けとして、ファッション性や素材品質、機能性も追及した戦略商品を投入。具体的には、発熱・保温素材を使用した「あったかTシャツ」(税込990円)、コタツ本体や掛け布団など8点セットの「選べる洗える省スペースコタツセット」(同9,990円)などで、カタログでも訴求を強化する。
同社がカタログの展開を始めた10月下旬以降は気温が低下し始め、これに伴い冬物の売れ行きが上向いている状況。その中でも価格戦略商品が動いているという。受注状況としては、予測とのブレもあるが、「ほぼ計画通りに推移している」(同)とする。
お買い得商品拡充で手応え
ベルーナもカタログの発行開始が10月下旬からで、現状、詳細な販売動向は見えていないが、顧客の志向に対応した商品展開で手応えを感じているようだ。
同社の場合、カタログの発行時期は前年とほぼ同じ。発行部数の増減については不明だが、中間期までの取り組みでは、前年比で10%程度削減していると見られる。
今冬シーズンの展開で力を入れているのは、お買い得価格商品の拡充。これは、顧客の低価格志向に対応した施策だが、既にお買い得価格商品を増やしたことによる効果は出ているという。全般的な傾向としては、低価格商品の売り上げが特に伸びているわけではないが、下げ止まり感があり、下期はトントンかプラスで推移する可能性もあるようだ。
機能衣料好調、2桁増の受注に
一方、セシールでは、10月1日から本格的なカタログの展開を開始した。発行部数に関しては公表していないが、受注は好調に推移しているようだ。
今年の冬カタログの展開では、顧客との連携を意識した誌面作りを強化し、ネットに書き込まれたくちコミ情報など、顧客の生の声を掲載。より商品をリアルに感じてもらえるようにした。
商品面では、吸湿発熱素材を使用した衣料品「スマートヒート」シリーズや、発熱素材を使用した毛布などの訴求を強化。「スマートヒート」シリーズ商品を掲載する「セシレーヌ」や「すてきさろん」「メンズセシール」のほか、発熱素材使用商品を掲載する雑貨カタログ「あったか暮らし」が好調だとする。
他の商品で動きが見られるのは、着膨れせずにスラリと着られるダウンコートやフリースのパジャマ。「スマートヒート」シリーズも含め、防寒衣料でありながら軽さや薄さをコンセプトとし、品質と比較した値頃感や豊富なサイズ展開を有するのが共通した傾向だ。
社名変更に因んだ企画など展開
一方、スクロールでは、例年並みの10月初旬から冬カタログの展開を開始。発行部数は、昨年とほぼ同じ水準だ。
今冬カタログの展開では、「RAPTY」の巻頭で社名変更に因んだ企画ページを設け、多色カラー展開のレギンスパンツやエンジニアブーツなど、キャンペーン商品66品目を掲載。このほかに、読者によるコーディネート紹介ページを設けるなど、購買意欲の喚起の仕掛けを盛り込んだ。また、ネット販売の「きれいみつけた」で展開するヘルス&ビューティーケア商材の売れ筋をカタログ「RAPTY」に掲載するなど、ネットとの連携も強化した形だ。
商品の販売動向としては、ニットコートやキルティングジャケットなど、軽めの羽織コート、カジュアルブーツなどが好調。際立ったトレンドがないため、丈感などの細部に注意した商品企画を行っているという。
今冬の立ち上がりとしては、「厳しい受注状況で推移している」(同社)が、今後、企画段階の期間短縮に取り組み、市場の動向に対応した商品企画ができる体制の構築を目指す構えだ。
コーディネート提案商品が好評
フェリシモでは冬カタログを11月初旬に発行したばかりで前年と比較しにくい状況だが、20代向けの衣料品カタログ「haco.(ハコ)」では、巻頭企画の反応が良いという。
今回のカタログでは、「ウチハコ.」と題して家で暖かく過ごすためのルームウエアなどのアイテムを訴求。中でも大判ブランケットにお化けの顔の絵入りで、頭からかぶるとお化けに見える「おばけブランケット」(税込2,900円)は受注に勢いがあり、11月9日現在で受注ランキングの10位以内に入っている。
「ハコ」はフェリシモが展開する複数の独自ブランドを紹介するカタログだが、"甘すぎない柔らかいテイスト"の「スロウ」が秋号に続いて好調という。特にブランドの冒頭ページで紹介したコーディネートが顧客のニーズと合致。ショートコートにバレリーナスカート、くしゅくしゅブーツの組み合わせなどが支持を得ており、コーディネート提案をした商品が、全体売り上げの上位にランクインしている。
値頃感や需要先取りで拡販を狙う
一方、三越では、冬カタログの立ち上がりは前年並み。服飾雑貨の動きが良い一方、昨年のリーマン・ショック以降動きが鈍い宝飾関連が引き続き反応薄となっている。
衣料品については、定番商品や「『お客様の声』実現企画」と題して提案したアイテムの動きがよく、具体的には基幹カタログ「三越カタログ」の最終ページに掲載した「『お客様の声』実現企画」のアンゴラ混裏地付カーディガン(税込6,800円)が「特に好調」(通信販売事業部)。企画ページには当該商品以外に2商品を掲載するが、もともと1万円以上を超える商品であったため、「値ごろ感を感じやすかったのではないか」(同)と人気の理由を分析する。
例えば、当該商品の上部に掲載する毛100%のベスト(税込1万290円)は、裏地をつけていないが、当該商品は風を通しにくい「総裏仕立て」で袖までの裏地付き。こうした工夫に値ごろ感を持ったようだ。
また、大丸ホームショッピングでは冬カタログの発行部数を昨年よりも若干増やし、発行時期も、昨年から従来よりも2週間早い10月上旬に変えている。発行日を早めた狙いは、本格的に寒くなる前の「冬支度のリビング商戦と合わせるため」(加藤俊克社長)。冬カタログの出足は、リビング関連が計画通りで、全体では「前年よりも少し改善」(同)したが、カテゴリーで見るとコートの出足は悪いとしている。
各社の冬カタログの立ち上がりは概ね低調な推移となったが、冬商戦本番に向け、販促を積極化していく考え。一方、消費の低迷が続く中、顧客ニーズを的確に捉えた商品の展開が重要になっており、今後の展開ではネットを活用した効率化や商品展開のスピードアップ、さらに原材料調達や商品の企画、製造体制なども含めた総合力が問われることになりそうだ。
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