11月中旬に第1回会合
「『(特定保健用食品)トクホ』を含む健食について」の検討会は、花王の「エコナクッキングオイル(以下エコナ)」の問題を受け、消費者庁の政務三役 (大臣、副大臣、内閣政務官)会議で決定した。今月中にも業界関係者や学識経験者、消費者団体関係者からメンバーを選出。抜本的な制度改革を行う見通し で、消費者庁は「来月中旬には第1回会合を開きたい」(平中隆司食品表示課課長補佐)意向を示す。
検討会は、月1―2回のペースで行い、関連する業界団体からヒアリングを実施。来年3月をメドに論点を整理し、その後、消費者庁内の「消費者委員会」に引継ぎ再度検討する。
健食含め「幅広い議論を」
今検討会の議論の対象は、トクホに限定されず、健康食品まで広げられた。背景には「エコナ」問題で消費者委員会から"健食を含めた議論が必要"との指摘を受けて動いた政務3役(福島瑞穂大臣、大島敦副大臣、泉健太内閣府政務官)の判断がある。
まず、従来の健食の表示制度を整理したい。現行制度は、関与成分を明らかにした上で科学的根拠を持つ商品に機能性表示を認める「トクホ」と、国が指定した栄養成分を一定量含む商品の機能性表示を認める「栄養機能食品」がある。
これら機能性食品は、「医薬品」「食品」と異なる定義を持つカテゴリーを築くが、「制度化したのちもフタを空けて見れば依然として『いわゆる健康食品』 という分野は残った」(同)のが実情。"トクホ制度の必要性を含め成り立ちから見直し、全体を制御できる制度をつくる"のが政務3役の意向という。
トクホは「一時停止措置」検討
では議論の具体的な中身はどうなるのか。
まず、トクホ制度について。確実に議題に上がるとみられるのが「エコナ」問題が波及したトクホ表示認可の「一時停止措置」の導入。現在、健康増進法(健増法)第28条で定める「特別用途表示の許可の取り消し」の仮処分規定追加だ。
現行法の取り消し要件は、(1)法律違反、(2)虚偽の表示、(3)科学的知見の充実(認可後の技術進歩など科学的知見の充実により表示が適切でないと判明した場合)。
今回の「エコナ」問題同様、実地における(3)の具体的手続きは「再審査」になるが、食品安全委員会で再度リスク評価を行う期間、消費者庁には商品の流通を差し止める手立てがない。
「エコナ」のケースは、花王の自主的な失効届けで決着をみたものの、同様の事態がまた起こらないとも限らない。
消費者庁もこの点については「当然議論を行う」(同)とする。ほかに、許認可申請のステップや試験レベルの適切性が議題に上がる可能性もあり、制度刷新が進むことになれば「既存のトクホの見直し作業を行うこともありうる」(同)としている。
健康増進法改正で規制強化も視野
一方の健食。消費者庁が「あくまで一例」と前置きしつつ上げるのが健増法第32条の2に規定される「誇大表示の禁止」の実効性確保に向けた議論だ。
消費者庁創設と共に厚生労働省から移管された健増法だが、厚労省時代を通じて処分実績「ゼロ」というザル法。以前から実効性のないことが業界内外の指摘を受けており、「誇大表示のボーダーラインや特に注視すべき表示媒体など射程範囲が明確でなく、これを(通知や省令、法改正で)明文化するだけでも表示の適正化は進むのでは」(同)とする。
健食に表示制度導入の可能性も
前段で述べた現行制度内の調整に留まらず、今検討会は新制度創設へと大きく舵がきられる可能性もある。「今の制度で十分であれば別だが、(議論の方向性によっては)健食になんらかの表示システムをつくることもありうる」(同)ためだ。
だがこれは、消費者庁があらゆる議論を排除しないというスタンスで臨んでいるため。検討会自体、「明確なビジョンがなく論点を整理したい」(同)というのが消費者庁の意向で、裏を返せば"何も決まっていない"ということになる。
健食業界からも「トクホの安全性議論なのか健食の表示制度見直しなのか、議論の焦点がはっきりせず、健食にとって良い話か悪い話か予想できない」(健食の受託・製造事業者)といった困惑の声が広がっている。
検討会委員の人選がカギ
来月中旬にも1回目の会合がもたれる検討会。これまで所在があいまいだった健食にまで踏み込んだものとなるのか、議論の方向性は舵取りを任される検討会委員に左右されることになる。
大島敦副大臣は10月21日、会見で検討会委員の人選を問う記者の質問に「1週間(28日まで)待ってほしい」と応じた。
これを受け、消費者庁では、(1)過去に健食に関する検討会に参加した実績、(2)トクホ成立当初の経緯に詳しい人間などを主な選出基準として委員をピックアップする作業を進めていた。
だが27日現在、政治主導を掲げる民主党政権の下、人選は政務3役に一任されることに急遽変更となった。政務3役の1人、泉健太議員事務所では「人選中であることは間違いないが、今は答えることができない」としている。
いずれにしろ、この人選がカギを握ることになるだけに、近く発表される検討会委員に注目する必要がある。
「『(特定保健用食品)トクホ』を含む健食について」の検討会は、花王の「エコナクッキングオイル(以下エコナ)」の問題を受け、消費者庁の政務三役 (大臣、副大臣、内閣政務官)会議で決定した。今月中にも業界関係者や学識経験者、消費者団体関係者からメンバーを選出。抜本的な制度改革を行う見通し で、消費者庁は「来月中旬には第1回会合を開きたい」(平中隆司食品表示課課長補佐)意向を示す。
検討会は、月1―2回のペースで行い、関連する業界団体からヒアリングを実施。来年3月をメドに論点を整理し、その後、消費者庁内の「消費者委員会」に引継ぎ再度検討する。
健食含め「幅広い議論を」
今検討会の議論の対象は、トクホに限定されず、健康食品まで広げられた。背景には「エコナ」問題で消費者委員会から"健食を含めた議論が必要"との指摘を受けて動いた政務3役(福島瑞穂大臣、大島敦副大臣、泉健太内閣府政務官)の判断がある。
まず、従来の健食の表示制度を整理したい。現行制度は、関与成分を明らかにした上で科学的根拠を持つ商品に機能性表示を認める「トクホ」と、国が指定した栄養成分を一定量含む商品の機能性表示を認める「栄養機能食品」がある。
これら機能性食品は、「医薬品」「食品」と異なる定義を持つカテゴリーを築くが、「制度化したのちもフタを空けて見れば依然として『いわゆる健康食品』 という分野は残った」(同)のが実情。"トクホ制度の必要性を含め成り立ちから見直し、全体を制御できる制度をつくる"のが政務3役の意向という。
トクホは「一時停止措置」検討
では議論の具体的な中身はどうなるのか。
まず、トクホ制度について。確実に議題に上がるとみられるのが「エコナ」問題が波及したトクホ表示認可の「一時停止措置」の導入。現在、健康増進法(健増法)第28条で定める「特別用途表示の許可の取り消し」の仮処分規定追加だ。
現行法の取り消し要件は、(1)法律違反、(2)虚偽の表示、(3)科学的知見の充実(認可後の技術進歩など科学的知見の充実により表示が適切でないと判明した場合)。
今回の「エコナ」問題同様、実地における(3)の具体的手続きは「再審査」になるが、食品安全委員会で再度リスク評価を行う期間、消費者庁には商品の流通を差し止める手立てがない。
「エコナ」のケースは、花王の自主的な失効届けで決着をみたものの、同様の事態がまた起こらないとも限らない。
消費者庁もこの点については「当然議論を行う」(同)とする。ほかに、許認可申請のステップや試験レベルの適切性が議題に上がる可能性もあり、制度刷新が進むことになれば「既存のトクホの見直し作業を行うこともありうる」(同)としている。
健康増進法改正で規制強化も視野
一方の健食。消費者庁が「あくまで一例」と前置きしつつ上げるのが健増法第32条の2に規定される「誇大表示の禁止」の実効性確保に向けた議論だ。
消費者庁創設と共に厚生労働省から移管された健増法だが、厚労省時代を通じて処分実績「ゼロ」というザル法。以前から実効性のないことが業界内外の指摘を受けており、「誇大表示のボーダーラインや特に注視すべき表示媒体など射程範囲が明確でなく、これを(通知や省令、法改正で)明文化するだけでも表示の適正化は進むのでは」(同)とする。
健食に表示制度導入の可能性も
前段で述べた現行制度内の調整に留まらず、今検討会は新制度創設へと大きく舵がきられる可能性もある。「今の制度で十分であれば別だが、(議論の方向性によっては)健食になんらかの表示システムをつくることもありうる」(同)ためだ。
だがこれは、消費者庁があらゆる議論を排除しないというスタンスで臨んでいるため。検討会自体、「明確なビジョンがなく論点を整理したい」(同)というのが消費者庁の意向で、裏を返せば"何も決まっていない"ということになる。
健食業界からも「トクホの安全性議論なのか健食の表示制度見直しなのか、議論の焦点がはっきりせず、健食にとって良い話か悪い話か予想できない」(健食の受託・製造事業者)といった困惑の声が広がっている。
検討会委員の人選がカギ
来月中旬にも1回目の会合がもたれる検討会。これまで所在があいまいだった健食にまで踏み込んだものとなるのか、議論の方向性は舵取りを任される検討会委員に左右されることになる。
大島敦副大臣は10月21日、会見で検討会委員の人選を問う記者の質問に「1週間(28日まで)待ってほしい」と応じた。
これを受け、消費者庁では、(1)過去に健食に関する検討会に参加した実績、(2)トクホ成立当初の経緯に詳しい人間などを主な選出基準として委員をピックアップする作業を進めていた。
だが27日現在、政治主導を掲げる民主党政権の下、人選は政務3役に一任されることに急遽変更となった。政務3役の1人、泉健太議員事務所では「人選中であることは間違いないが、今は答えることができない」としている。
いずれにしろ、この人選がカギを握ることになるだけに、近く発表される検討会委員に注目する必要がある。
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