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山田養蜂場、中期計画見直し、次の一手とは 今期グループ500億円見送り、化粧品失速に本体伸び悩みも影響

090827yamada1.jpg 20104月期にグループ売上高を500億円とする中期計画を掲げていた山田養蜂場(写真)は、計画の見直しを余儀なくされている。ローヤルゼリーをはじめとするミツバチ産品に加え、急成長していた化粧品を成長のドライバーとして計画の達成を目指していたが、メーカー通販等の相次ぐ参入でけん引役の化粧品が失速。健康食品も「ローヤルゼリー」で安定した強さを持つものの、市場の成熟で伸び悩み、前期(094月期)のグループ売上高は約400億円にとどまった。今期に予定していた500億円の達成は見送り、今後の成長に備えた事業基盤の再強化に注力する構えだ。


090827yamada2.gif売上計画の達成、2年先延ばし

 

 「(中期計画)は、予定よりも1年半程度遅れている」。山田養蜂場の濱井重孝専務は、計画の進捗状況についてこう語る。山田養蜂場の094月期売上高(=)は、前期比4.3%増の3395,500万円。内訳としては、健康食品が同2.4%増の2196,300万円、化粧品が同7.1%増の933,800万円と何れも前年をクリアしているが、「計画比で9掛け」(同)の着地だ。

 今回の中計で誤算だったのは化粧品が失速したことだ。化粧品の伸長率は、074月期に同21.4%増だったが、翌084月期が同9.2%増と2桁を割り、前期は同7.1%増とさらに伸び幅が縮小した。

これは、メーカー通販等の相次ぐ化粧品の参入で競争が激化したことが要因だが、今回の中計では、市場の成熟でローヤルゼリーを柱とした健食の大きな伸びが期待できない中、化粧品が成長のドライバーとなるはずだっただけに、グループ全体への影響も大きかったと言える。

実際、同社の商品も扱う化粧品製造のグループ会社のロゼットには、「思ったように売り上げがついてきていない」(同)状況。岡山県津山市に設けるはずだった化粧品製造工場併設型の物流拠点についても、化粧品の伸びが急速に鈍化したことなどから、計画の凍結を余儀なくされた。

また、健食については、ローヤルゼリーの高単価商材「王乳の華」などが寄与し、前の期よりも伸び率が拡大(前の期は同1.1%増)。一時の伸びは影を潜めたとは言え、浮き沈みの激しい健食の中で安定した動きを見せていると言えるだろう。

520億円とされるローヤルゼリー市場で、同社のシェアはおよそ3割にのぼる。ローヤルゼリー自体は市場の成熟化が進み大きな伸びは期待できないが、ローヤルゼリーで一定のシェアを握り、強固な顧客基盤を持つという点で強さを発揮した形だ。

一方、メーリングやテレマ、健康食品および化粧品製造など、グループ会社の前期売上高は合計で約70億円。前期は、ロゼットの子会社として化粧品通販を手掛けるロゼット美容科学を設立したほか、ミネラルウォーター販売を行う群馬県の嬬恋銘水の買収、観光農園事業の分社化による山田みつばち農園の設立など業容の拡大を積極化したが、売り上げの半分はグループ内取引。山田養蜂場本体の苦戦が影響し、計画を下回る結果だった。グループトータルの売り上げは400億円強になる計算だが、現在の市場環境を考えると、今期中にグループ売上高を500億円にするのは難しく、この目標の達成には「あと2年くらいかかる」(同)との見方だ。

 

若年層の新規開拓進まず

 

山田養蜂場の強さの源泉は、やはりローヤルゼリーで圧倒的な強さを持っていることにある。市場自体は既に成熟期に入っているが、健食の商材として幅広く認知されており、ローヤルゼリーイコール山田養蜂場のイメージも定着していると言っていい。加えて、同社の主要客層は、流行に左右されにくく、継続購入が期待できる。こうした要素がこれまで同社の成長を支えていた。一方で、市場が成熟化に伴いローヤルゼリーを中心とした健食の大きな伸びが期待できない中で、ハチミツの美容的な要素に着目した化粧品が新たな成長のドライバーとして機能してきたわけだ。

今回の中計は、こうした経緯を踏まえて策定されたもので、市場環境の変化などから結果として目論見が外れる形となったが、改めて同社の課題を浮き彫りにしたとも言える。若い層の新規顧客開拓だ。

山田養蜂場の既存顧客は60代以上がメーンで、これからシュリンクしていく層でもある。このため、新たな客層の開拓が不可欠だが、「費用対効果的に若い層の顧客開拓が思うように進んでいない」(同)。この背景には、比較的若い層の訴求手法が発展途上で、商材的にも目新しさを打ち出しにくいことがある。

 商品面では、健食や化粧品の新商品やリニューアル商品の投入を積極的に行っており、健食に関して言えば、ローヤルゼリーの含有量を増やした「王乳の華」が軌道に乗り始めている。ただ、同商品の特徴は、ローヤルゼリーを高配合したという従来商品との違いにあり、新規の顧客にはなかなか響きにくい。また、既存顧客の声を受け、グルコサミン等のサプリメントシリーズの展開も始めたが、こうした商材を増やせば、本来の特徴が薄れることにもなりかねない。養蜂産品に因んだ新規性のある商品を投入し、若い年齢層向けの訴求手法を確立する。これは顧客基盤を維持する上で重要な要素と言え、同社でも今後の課題の一つと捉えている点だ。

 

オペレーター担当制を検討、ネット展開も強化

 

中計の見直しを迫られる山田養蜂場の今後の取り組みは、自社の基盤整備が中心になる。本体の強化がグループ全体の活性化につながるためだ。

その方策の一つは、ローヤルゼリーをはじめとする養蜂産品の需要喚起。この部分では、以前から研究成果の発表等を行っているが、さらに一般紙を使い予防医学に関する啓蒙広告を通年で展開する。化粧品が苦戦する中、要望医学の啓蒙を通じ、健康イメージのある養蜂産品の需要喚起につなげる考えだ。

もう一つの方向性は、「既存の顧客基盤をより安定させること」(同)で、この点についてはコールセンターのオペレーターが一定数の顧客を担当する制度の導入を計画。新規獲得が難しい状況を踏まえ、ベースとなる既存顧客の対応を強化するものだが、オペレーターのスキルを高め、他社との差別化を図る狙いもある。

さらに新機軸の取り組みとなるのがネット販売を強化で、担当部門となる今年4月「Web営業部」を新設している。主要顧客の年齢が高いこともあり、これまで特にネットには力を入れていなかったが、若い層の新新規顧客開拓ツールとして展開を本格化する。現状、山田養蜂場には「ネット向きの商材がほとんどない」(同)ため、「Web営業部」では、サイト周りだけではなく商品の企画・開発も担当。これまで手掛けてきたネット販売とは一線を画した新コンセプトで展開を行う考えのようだ。

ローヤルゼリーを起点に、業容を拡大してきた山田養蜂場。頼みの化粧品が失速で中計の売り上げ目標達成は先送りとなるが、成長路線を維持するためには、さらに大胆な施策も必要になる。圧倒的な強さを持つ一方で難しさも伴うローヤルゼリー等の養蜂産品を軸にどのような成長戦略を描くのか、今後の動向が注目される。

 

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