スワップポイントの逆転
かつては高金利通貨として、ロングポジションならばプラスのスワップポイントが付与されていた豪ドル米ドルですが、それはもう過去の話となりました。
オーストラリアは利下げを繰り返し、利上げの噂が出たとしても利上げは行わなかったことで、政策金利はとうとう0.75%と低金利通貨の仲間入りを果たしました。
※一方の米ドルは利下げしたといっても、1.75%-2.00%です。
そのため、売りから入ることでユーロドルのようにプラスのスワップポイントがもらえるようになりました。
そのこともあってか、2019年の豪ドル米ドル相場は、重たいままです。
各ブローカーをスワップポイントを簡単に分かるには海外fx比較確認しましょう。
豪ドル米ドルの日足ライン分析
豪ドル米ドルの2019年のトレンドは、わずか数本のトレンドラインで説明できるくらいシンプルな下落トレンドでした。

たまに、下落トレンドのチャネルからはみ出ることもありましたが、それは全てだましに終わっています。
フラッシュクラッシュの衝撃と戻り売りの失敗
2019年は主要通貨ペアの大暴落から始まりました。
高い流動性で知られ、大暴落などめったに起こらないドル円ですら大暴落し、もちろん豪ドルも一緒に巻き込まれました。
ドル円ではドル安でしたが、フラッシュクラッシュ時には豪ドルはその米ドルよりも売られることになり、一時節目となっていた0.70を割り込むほどになりました。
しかし、この大暴落によってたまっていた持ち値の悪い(と思われる)豪ドルロングが一掃されたことにより、相場の下落圧力はしばらく弱まることになりました。
というのは、下落相場は新規にショートポジションが作られていくことによっておこるという側面もありますが、そうした下落に対して買い下がっていくマーケット参加者がいることによって、トレンドが継続するという側面もあるからです。
したがって、短期筋にとって買いポジションを売り崩す必要がなくなったことにより、豪ドル米ドル相場は反転します。
実際、このリスクオン相場に対しては「おかしいじゃないか」と思ったトレーダーもいたのだと思います。というのは、米中貿易摩擦の影響を最も受けやすい豪ドルです。その問題は、まだ何一つ解決していないというのに、自分のショートポジションが踏みあげられていくというのは、納得できない、と。
しかし、ポジションの偏りとしてはロングポジションが不在となったことで、標的がショートポジションに変わっただけのことで、そのあたりのポジションの読みは臨機応変に行う必要がありました。
下落再開の波に正しく乗れたか?
豪ドル円が上がる時には、ドル円も上がるということもあって、豪ドル米ドルの上値は他の通貨ペアと比較しても重かったのではないかと見ています。
フラッシュクラッシュ時の安値から引いたトレンドラインをブレイクしたとき、豪ドル米ドルは再び緩やかな下落相場へと転換しました。
しかし、ポンドなどとは違ってブレイクしたポイントを売るというよりは、戻り高値をきちんと売っていくということが利益につながりました。
個人的な感想ですが、金利差が逆転して以降、ますます豪ドル米ドルはユーロドルに似てきたのではないかと思います。
かつては、高金利通貨でしたから買いから入るためには、結構な工夫が必要でしたが、いまは逆に買いから入るにはマイナスのスワップポイントを覚悟しなければなりません。
そのことも影響してか、強い買いがあったとしてもそれはロスカット狙いの短期的なもので、サポートが切れたら戻りなく続落するという傾向が続いています。
年後半は売りのフローが止まったかどうかに注目
相場の長期的なトレンドは、資金のフローがなければ起こりません。
その意味で、今年の豪ドル米ドル相場には豪ドルから米ドルへのフローがあったといえます。
ただ、その流れが今も続いているかどうかはまた別の話です。
直近の日足を見てみましょう。

直近高値が少しですが切り上がっているのがわかります。
つまり、下落トレンドの原則である「高値と安値の切り下がり」という形が崩れたということです。
ただ、これは長期的なトレンドが上昇トレンドに変わったかということはまだ意味しないのではないかとみています。
ですから、まだ相場はトレンドのない「レンジ相場」だということです。
レンジ相場では、明確な方向性なくふらつくため、利益が乗ったらさっさと利食いをして、利益を蓄積していくことが重要になります。
また、ファンダメンタル的には今年の一大テーマである「米中貿易摩擦」が結局、臨界点を迎えないで、また来年に持ち越しになったということも影響していると思います。
つまり本当は、相場は大暴落したいのだけれども、その材料がないので本来の方向からずれているのです。
豪ドル米ドルの月足トレンドの周期
少し気になることがあります。
それは、月足トレンド(チャネル)の切り替わる周期です。

長い下落トレンドから脱して緩やかな上昇トレンドチャネルに入ったのが、2016年のことで、それから転じて現在まで続く下落トレンドチャネルに入ったのが2018年のことです。
しかも、その月はいずれも1月となっています。
つまり、偶数年の1月に月足トレンドが転換しているのです。
ということは、2020年は1月から上昇トレンド入りするのかもしれません。
その辺りは、頭の片隅にとどめておきたいと思います。…